宮司 健士さん
お客さまの声
資生堂 ライフクオリティー メイクアップを体験されたお客さま(一部社員を含む)のインタビューをご紹介いたします。
メイクをすると、
ふだんの自分を
取り戻せる。
角田 万木さん
卵巣がん闘病中の日々の生活や
資生堂 ライフクオリティー メイクアップとの出会いについてお聞きしました。
そばで闘病を支えるご主人の則明さんにもお話を伺いました。
眉とまつ毛がぬけるのが、
髪よりショックだった。
現在は卵巣がんが再発して治療中です。始めに症状に気づいたのは2013年で、ちょっとお腹がはっておかしいなと思って、地元のクリニックに行ったら、すぐに大きな病院を勧められて、そこで現在の主治医に出会い「卵巣がんで間違いない」といわれました。うちは身内にがんが多かったので、 わたしもがんになるかもとは思っていたのですが、ちょっと夫を残していくには早いなと思いました。
つらかったのは、抗がん剤の副作用が出たときですね。どう対処していいか分からなくて。髪の毛しか抜けないと思っていたら、眉とまつ毛も抜けるとわかって、それがすごくびっくりしました。メイクで補えるという発想が当時は思いつかなくて、眉とまつ毛がない顔って、どうなんだろうとすごく心配になりました。副作用で体力と気力を全部もっていかれて、このまま一生笑えないかもしれないという気持ちにもなり、かなり落ち込んでいました。病院の心理士さんに相談にのってもらい、外に出るように勧められ、週末だけでも電車にのって遠出するように心がけました。

朝メイクをすると、
元気が出てくる。

資生堂 ライフクオリティー メイクアップに出会ったのは、がん患者向けのあるシンポジウムに参加したことがきっかけです。そこでメイクをしていただいたんですけど、ちょっと魔法がかかった感じがして、すごいなと思いました。 眉の描き方やチークの入れ方を教えてもらいました。治療が続くと、だんだん覇気のない顔になってくるんですが、そういうときは、チークを入れるといいなど色々アバイスしてもらいました。
自分でメイクをしていてむずかしいのは眉毛ですね。治療で眉毛がまったくなくなったことがあるのですが、1本もないとやはりラインを取るのがむずかしかったです。わたし、まわりには治療をしていることは話していなかったのですが、あるとき人に病気のことを話したことがありました。
心理士さんに 「どうして、人に話そうと思ったの?」と聞かれて、よく考えたら眉毛が生えたからだと気づきました。眉毛があると、人に会う自信が出てくるんだなと思いました(笑)。眉毛がきまったとき、テンションがあがりますね。
メイクをするのは好きです。予約外で病院にいくとき、見てもらえるかわからないので、不安になってくるんですね。それで朝とりあえずメイクをするんです。メイクをすると気持ちが落ち着いてくるというか、元気をくれるので助かっています。メイクをすると、ふだんの自分に近いものを取り戻せる。完璧ではないのですがそれに近いものになれる。外出するのがこわくなくなるし、人に会いやすくなると思います。

笑顔でいられると、
自分らしくいられる。

病気になる前は子どもに恵まれなかったこともあって、人生に対して希望っていうものがなかったんです。でも病気を経験してみて生きていることってすごいんだな、なんにもないことが幸せなんだなって思えるようになりました。いろんなことに感謝するようにもなりました。病気になるまではそんなに笑顔が多いタイプでもなかったんですけど、最近は病気になって知り合った人たちから「笑顔がステキ」といわれます。今は笑顔がわたしの定番みたいな感じ。
いま楽しいことは、太極拳や気功をしているときや、天気のいい日にお散歩してきれいなお花を見つけたとき、夫と一緒になにかおいしいものを食べに行ったりするときですね。そういう風に笑顔でいられるときが、自分らしくいられる瞬間という感じがします。
ご主人の則明さんにもお話を伺いました。
好きなことしている時は、
やっぱりいい顔してる。
妻は病気になる前は、出不精というか先頭切って人前に出てやるような性格ではなかったんです。でもいまは患者会なんかでも、人の前に出て自分の思いを話せるようになったと感じます。大げさかもしれないけど病気が人生のターニングポイントのように見えます。病気になってから、太極拳や気功をはじめるなど外出にも積極的になりました。「太極拳をやるとテンションが上がるのでずっと続けたい」といっています。メイクもポジティブな気持ちにさせてくれるもののひとつなんだと思いますね。そういう好きなことをやってるときは、いい顔をしてますよね。やっぱりね。

*このインタビューは、本活動の趣旨にご賛同していただいた出演者さまのご厚意により実現し、2020年2月に掲載されたものです。関係者のみなさまには心より感謝申し上げます。