がん患者さんのための外見ケア情報

「自分らしさ」を生かす外見ケアテクニック

治療技術の進歩や早期発見により、就労をしながら通院しているがん患者も増加しています。がんと向き合って過ごす期間が長くなり、見た目の変化を意識される方が増えています。

  • 外見ケアBOOK~自分らしく、心地よく~
  • 外見ケアBOOK
    ~自分らしく、心地よく~

    治療の副作用による特有の肌悩みに対応する美容情報を一冊にまとめました。年齢、性別を問わず誰でもご活用いただけるようシンプルなテクニックを中心に掲載しています。
    以下からご覧いただけます。

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肌ケア

  • 肌が乾燥しデリケートに感じるとき
  • まつ毛が脱毛しているとき
肌ケア
  • 顔色メイク
    コンシーラーの使用方法

    • 肌の色変化が気になるとき
    顔色メイク コンシーラーの使用方法
  • 外見ケア専用ファンデーション
    パーフェクトカバー ファンデーション MCの使用方法

    • 通常のファンデーションではカバーしづらい、濃いくすみが気になるとき
    外見ケア専用ファンデーション パーフェクトカバー ファンデーション MCの使用方法
  • 眉メイク

    • 眉がまばらになったとき
    眉メイク
  • 眉メイク

    • 眉がほぼ脱毛したとき
    眉メイク
  • アイライナー

    • まつ毛が脱毛した時
    • 涙目でにじみやすいとき
    アイライナー
  • ほお紅

    • 発色よく仕上げたいとき
    • 血色よく見せたいとき
    ほお紅

“社会で生きる”ことと外見ケア

国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター 副センター長 坂本 はと恵

坂本 はと恵国立研究開発法人 
国立がん研究センター東病院
サポーティブケアセンター 
副センター長

がん治療に伴う外見の変化やケアのことを考えるとき、必ず思い出す患者さんがいます。
出会った当初は、「発病前、ノーメイクに近い状態で出勤していた私が、ある日を境にお化粧とウィッグをして出勤するなんて、周囲にどう言われるのかと思うと不安で仕方ない」と繰り返していましたが、今では「私は治療をきっかけにイメージチェンジしたんだと思っています」と話されるとともに、「身体が生かされていても、社会の中で生きていると実感できなければ、本当の意味で生きているとは言えない。人は誰かとつながって初めて生きていると実感できるんだもの」と、外見の変化を上手にケアしながら社会とつながり続ける意義を語ってくださいます。

今や治療の副作用による皮ふ障害は30種類を超える時代です。今後ひとりでも多くの方に、外見ケアは友人や職場といった社会との関係を維持し広げるための重要な役割であることを知っていただくとともに、ご活用いただけることを願ってやみません。

いつもの表情を取り戻していただくために、外見変化を気にすることでやりたいことをあきらめないためにも、化粧によってカバーできることを多くの方に知っていただきたいと思っています。

対応している主な肌悩み

抗がん剤治療中の“キレイ”の見つけ方

聖路加国際病院 腫瘍内科医 北野敦子先生

北野敦子先生聖路加国際病院 
腫瘍内科医

抗がん剤治療による外見変化に多くの人が不安、そして恐怖を抱きます。それは患者さんだけでなく、ご家族もまた同じです。特に子どもは母親の変化に敏感です。がんと診断された後も「自分らしく」過ごし、社会とつながっていくために、メイクはとても重要なツールだと思います。

抗がん剤治療は頭髪やまつ毛・まゆ毛の脱毛、肌のシミやくすみ、爪のトラブルと、嫌なことばかり…。だけど、物は考えようです。この機会にまつ毛やまゆ毛の描き方をおさらいし、ついでに流行のメイクも勉強して、改めて肌のお手入れと向き合いましょう。ウィッグだって、病気にならなかったら付けなかったのでは?せっかくだからお気に入りのウィッグ見つけて、街に出ましょう。

気づいていますか?
がんという病気と闘い、それを乗り越えようと懸命なあなたは、街中の誰より「キレイ」な人だということを。

国民の3分の1ががんに罹患する時代です。がんサバイバーが社会の中で生きいきと活動をしていくためにも、本センターのようながん患者さんの「キレイ」を支援する活動の活性化が求められています。