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第36回日本サイコオンコロジー学会で研究発表をしてきました

2023年10月6,7日に奈良で開催された「第36回日本サイコオンコロジー学会」に参加し、研究発表をしてきました。
https://plaza.umin.ac.jp/jpos36/ (外部サイトへのリンク)

学会名のサイコオンコロジー(Psycho-Oncology)は、2つ学問を組み合わせた造語で「精神腫瘍学」と訳されます。

  • 「心」の研究を行う精神医学・心理学(サイコロジー=Psychology)
  • 「がん」の研究をする腫瘍学(オンコロジー=Oncology)

がんを治す研究ももちろん必要ですが、やはり、心理社会的なケアも重要な取り組みであることは間違いありません。今回聴講したある教育講演で聞いた言葉が印象的でした。

治療できない患者がいてもケアできない患者はいない

医療機関でない民間企業は、「治療」はできませんが「ケア」であればお役に立てます。学会発表を通じて、自社が行っている外見ケアがサイエンスベースであることを今後も発信していきたいと思います。

2月のブログでは、日本人は外見の悩みを「相談しにくい」と感じている人の割合が高いという結果を紹介しました。今回は、以前実施した医療機関との共同研究の中で、参加者を「相談しにくい」と感じている人と「相談しやすい」と感じている人に分け、それぞれの特徴や介入効果についての分析結果を報告しました。

「相談しにくい」と回答した人(全体の61%)の特徴

  • 有職者(休職中も含む)である
  • 外見変化の悩みについて周囲の人への相談経験がない
  • 「抑うつ-落ち込み」の感情が強い
  • 相談しにくい主な理由:「周囲に同じ症状の人がいないから」

なお、「相談しやすい」と回答した人の理由は、「社内で同じ治療をしている人がいるから」「家族、担当医、看護師に相談しているから」という回答が挙げられました。
これら両者の回答から、職場で同じ症状の人と出会えるかどうか、悩みを共有し合える社内コミュニティがあるかどうかが、相談しにくい・しやすいという感覚に影響すると考えられます。治療しながら働くためには、休暇制度や金銭的な補助制度も必要ですが、外見変化の悩みについていえば、同じ症状や経験者のコミュニティを作ることが課題解決に有効かと思います。また、職場で見つけられない場合、諦めるのではなく、まずは医療関係者や家族(今回は美容関係者)に相談してみようという働きかけも重要かと思います。
今回、美容技術者からのアドバイスによって、悩みが解決し、「疲労-無気力」といったネガティブな感情が軽減し、そして前向きな気持ちに変化したという心理的な変化を確認できました。
我々としては、当事者だけでなく、相談される可能性のある人たちへの情報発信・提供も必要です。もし、あなたが相談されたとき、是非下記ツールをご紹介ください。情報提供も外見ケア(アピアランスケ)です。

お悩みメイクナビ
https://corp.shiseido.com/slqm/jp/makenavi/

がん外見ケアBOOK
https://corp.shiseido.com/slqm/jp/information.html#/cancer

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