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2022年03月28日

発行元:(株)資生堂

研究・サプライネットワーク

資生堂、経口剤と塗布製剤の併用により肌の明度や透明度が高まることを確認

~明るく澄んだ肌へ導く一段階上の内外アプローチ~

資生堂は、ワサビノキ葉に抗酸化効果の高いグルタチオンの産生促進効果およびメラニン産生抑制効果があることを見出しました。さらに、ワサビノキ葉および鳳梨(ほうり)抽出物などを配合した経口剤と、自社開発成分である4-メトキシ酸カリウム塩やトラネキサム酸を配合した塗布製剤を併用することにより、単独使用時と比較して肌の明るさや透明度がより一層高まることを確認しました。
本研究は、資生堂独自のR&D理念『DYNAMIC HARMONY』のInside/Outsideというアプローチで研究を進めています。経口剤摂取による身体の内側からのケアと、製剤の塗布による身体の外側からのケアを組み合わせ、全身の健康と肌の美しさに働きかける新しいホリスティックなアプローチの開発を進めていきます。

図1:経口剤と塗布製剤の併用の効果(イメージ図)

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研究背景

当社は強みの研究領域である皮膚科学やマテリアルサイエンスの知見を活かしながら、様々な成分の開発や効果の検証、有用成分を用いた製品開発などを進めてきました。また。ビューティーウエルネス分野の研究にも早くから注目し、身体の内側から美を支えるサプリメントや食品などの研究にも長年取り組み、内外から美へ導くアプローチを提案してきました。しかし従来の研究では、これらを併用することによる効果は十分に確認されていませんでした。そこで今回、肌に有用な新たな成分の探索に加えて、経口剤と塗布製剤を併用することによる効果について調べました。

ワサビノキ葉のグルタチオン産生促進によるメラニン抑制効果

当社はこれまでにも、身体が持つ生体内防御システムの働きに着目し、紫外線による肌の紅斑や黒化抑制効果をもつ成分を見出してきました※1。こうしたこれまでの知見を活かし、今回、九州大学 片倉喜範教授との共同研究により、新たにワサビノキ葉に強い抗酸化力をもつ生体内成分グルタチオンの産生促進効果※2とメラニン産生抑制効果を見出しました。
※1 「枸杞(クコ)の実」エキスの経口摂取による新たな効果を発見(2010年):https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000001189/1189_v9t15_jp.pdf
※2特許出願中(特許番号:PCT/JP2021/035140)

図2 ワサビノキ葉のグルタチオン産生促進効果(左)とメラニン産生抑制効果(右)

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経口剤による身体の抗酸化力上昇効果と肌の明るさ上昇効果

ワサビノキ葉と、同様にグルタチオン産生促進効果が知られている鳳梨抽出物などを含む経口剤を用いて、連用試験を実施しました※3。その結果、対象成分ありの経口剤摂取群では13週目で、対象成分無しの群に比べて肌の明るさの上昇(図3左)やメラニン量の低下などを確認しました。また、紫外線による肌のダメージを抑制するために重要な体内の抗酸化力を調べるために、血中抗酸化力を測定しました。その結果、摂取3週目から血中抗酸化力の増加(図3右)が認められました。
※3 肌のシミ・くすみが気になる20~40代の女性。対象成分摂取19名、対象成分非摂取19名の合計38名で実施。

図3 経口剤摂取による肌(上腕内側)(左)と身体への効果(右)

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経口剤と塗布製剤の併用による効果

経口剤と塗布製剤の併用の効果を確認するため、ワサビノキ葉や鳳梨抽出物などの有用成分を配合した経口剤の摂取と共に、頬部の肌に4-メトキシ酸カリウム塩やトラネキサム酸を配合した塗布製剤を併用する連用試験を実施しました※4。その結果、併用開始後8週目、12週目で併用群はプラセボ群と比較して、頬部の肌における透明度や明るさ、血色の良さを示すヘモグロビン酸素飽和度が上昇し、メラニン量が低下したことが確認されました(図4)。
※4 肌のシミ・くすみが気になる30~50代の女性。併用群(経口剤+塗布製剤)31名、プラセボ群(プラセボ経口剤+塗布製剤)31名の合計62名で実施。


資生堂は、内側から輝くような肌の美しさの実現に向けて、様々な成分やアプローチを探索・開発し、お客さまの期待を超えるビューティーソリューションの提供を目指してきました。経口剤の摂取や、経口剤と塗布製剤の併用によって見出された、全身の抗酸化力上昇や肌の明るさ上昇といった効果は、今後新たなサプリメントなどビューティーケアの開発に応用していきます。今後も、2030年に向けた当社ビジョン「PERSONAL BEAUTY WELLNESS COMPANY」の実現に向けて、肌だけではなく心身も健やかな美しさに導く研究を続けていきます。

図4 経口剤と塗布製剤の併用による肌(頬)への効果

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※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。