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化粧療法研究室ハカセのブログ

日本、中国、ドイツの化粧行為国際比較 ~あなたは化粧をするとき、簡単派?丁寧派?~

前々回のブログでは、平均寿命前回は、4か国の「生きがい」に関する国際比較データを紹介しましたが、今回は、弊社が行った化粧にフォーカスしたデータを紹介させていただきます。

調査名
シニア女性(60代以上)の化粧実態調査
調査時期
2021年3-4月
対象国・対象者数
日本(n=200)、中国(n=100)、ドイツ(n=100)
調査方法
インターネット調査

対象の60代女性で、メイクアップをしている(「外出時などにしている」・「ほぼ毎日している」)と回答した人に、普段のやり方について4つ選択肢からの中から1つ選んでもらいました。

1. 簡単にする 2. どちらかというと簡単にする 3. どちらかというと丁寧にする 4. 丁寧にする
簡単派 丁寧派

ちなみに、これまでの調査で、簡単か丁寧かどうかは、主観的に回答してもらいますが、客観的な違いは、年間で使用アイテム数が、丁寧派は平均で明らかに1~2個多いということがわかっています。1品を丁寧にしっかり使いこなすという方もいらっしゃるかと思いますが、概ね「丁寧にする」人は、「簡単にする」人より、使用アイテムが多い傾向があります。

さて、簡単派と丁寧派の割合の結果がこちらですが、国によって明らかに異なります。

各国のN数は、メイクアップをしていると回答した人数

日本も中国もアジア勢は、丁寧派が10%前後で、圧倒的に簡単派が多いですが、ドイツは44.4%が丁寧派です。
60代シニアのメイクのやり方が明らかに異なります。

この結果をヨーロッパの弊社社員に共有すると、ヨーロッパは年齢を重ねて、化粧をしっかりしていないと自己管理ができていないと思われるので、メイクを丁寧しようとするのは当然、とのことでした。
そして、驚くことに、
「ドイツはヨーロッパの中でもどちらかというと控え目な傾向があるので、フランス、イタリア、スペインだともっと丁寧派の割合は高いはず。」

これらの違いは、それぞれの国や地域における「加齢に対する考え方・意識」と「化粧文化」の違いの2つが関係していると考えられます。
これまで、研究を通じて、国内で出会った方々と高齢期の化粧についてお話させていただくと、ポジティブな意見もありますが、
高齢者本人からは、「もう、歳だし、、、」
そして、周囲の人は、「もう、歳なんだから、、、」
というネガティブな声も聞いたことがあります。

本人自らが諦めたり、周囲が諦めさせる雰囲気を出したり、なかなか複雑事情があります。背景に育ってきた年代の化粧文化や高齢者に対するイメージなどがあり、それらがこういった発言に影響していると思います。
年齢を重ねても、本人が望むなら、いつまでも化粧を楽しめる社会風土が必要です。
当たり前にしていたことが、当たり前にずっと続く、それがQOL(生活の質)の維持ではないでしょうか。

国の風土や文化をすぐにかえることは難しいですが、化粧療法を通じて、いつまでも化粧を楽しめる環境が整うようこれからも活動を続けていきます。

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