1. Home
  2. ニュースリリース
  3. 資生堂、バイオベンチャーちとせグループに出資と戦略協業契約締結

2023年07月11日

発行元:(株)資生堂

経営・業績

サステナビリティ

資生堂、バイオベンチャーちとせグループに出資と戦略協業契約締結

藻類から化粧品原料や容器を作り、資源循環型ビジネスモデル構築

資生堂は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、人々の肌だけではなく、自然環境をも健やかに美しく維持する、人にも地球にも優しい化粧品開発に取り組んでいます。この度、藻類基点のサステナブルな新産業を構築するプロジェクト「MATSURI」※1を主導するちとせグループに10億円を出資し、研究開発を中心とした戦略協業契約を締結することを決定しました。藻類を利用した化粧品原料および化粧品容器にかかる原料の開発および量産化、さらには将来的な食品産業に活用できる原料開発などを視野に、共に循環型のモノづくりを加速していきます。

藻類は太陽の力を元に、二酸化炭素からタンパク質・脂質・炭水化物などの多様な有機物を効率的に生成します。また、砂漠や荒地のような農業利用が難しい土地でも生産可能であり、かつ陸上植物と比較して圧倒的なバイオマス生産効率を誇ることから、有限な化石資源に依存しない新たな資源となる可能性を秘めています。資生堂はこれら「藻」の持つポテンシャルを最大化し、資源を枯渇させることのない、地球のシステムと一体となった循環型モデルをちとせグループと共に築き、グローバル化粧品市場を刷新するサステナブルな価値創造をリードしていきます。

ちとせグループについて

ちとせグループは、世界のバイオエコノミーをリードするバイオ企業群です。千年先まで人類が豊かに暮らせる環境を残すべく国や多くの企業と協力し、経済合理性を成立させながら技術を社会に展開しています。

ちとせグループの主導する「MATSURI」とは

太陽光を唯一のエネルギー源とした藻類の大規模生産と事業化に強みをもつちとせグループが主体となり、藻類基点のサステナブルな新産業を構築するプロジェクト。様々な立場や業種の他機関と協働し、人々の生活を支える藻類製品を社会に普及させるべく多角的な用途研究開発と藻類生産の大規模化を同時に進めています。
藻類生産の大規模化においては、2018年8月に0.1haの設備、2023年4月には5haの設備CHITOSE Carbon Capture Central (C4)を竣工させ、2030年には2000ha規模に拡大予定です。目下の目標としては2027年に100haへの生産規模拡大を計画しています。なお、本計画に伴う、研究開発用途として今年3月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金に総額500億円規模(予定)の事業として採択されました。

出資概要

ちとせグループへの出資の具体的な方法は、同グループを統括するCHITOSE BIO EVOLUTION PTE. LTD.,(所在:シンガポール)の株式を取得する形とします。

資生堂のサステナビリティ

資生堂は、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、2030年に向けて「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指しています。環境領域では、社名の由来でもある「万物資生」※2の考えに基づき、環境負荷を軽減し、使い捨てではなくサーキュラーエコノミーを実現できる技術やビジネスモデルの構築を目指して取り組んでいます。全バリューチェーンを通じて、「地球環境の負荷軽減」、「サステナブルな製品の開発」、環境や人権に配慮した「サステナブルで責任ある調達の推進」の3つの戦略アクションを実行しています。なお、環境領域以外にも、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を中心に社会課題の解決に取り組んでいます。ビューティーカンパニーとしての特性を活かした「ジェンダー平等」、自分らしく輝くことに貢献する「美の力によるエンパワーメント」、そして、すべての活動の根底となる「人権尊重の推進」の3つの戦略アクションを実行しています。

※2 中国の古典「易経」の一節、「至哉坤元 万物資生(大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか、すべてのものはここから生まれる)」の一部

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。