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2023年02月06日

発行元:(株)資生堂

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サステナビリティ

多様な人財の活躍と企業成長との関係を研究する社内研究機関「資生堂D&Iラボ」を発足

資生堂は、多様な人財の活躍と企業成長の関係を研究する「資生堂D&Iラボ」を発足し、2023年より本格的な実証研究に着手します。
「資生堂D&Iラボ」では、社内における多様な人財の活躍に関するこれまでの実績・成果を検証することで、社内のダイバーシティ&インクルージョンの加速に向けた効果的なアクションにつなげていきます。これらの研究で得られた知見は自社内だけでなく社外にも公表することで、ダイバーシティ&インクルージョンの実現による日本経済の成長促進へ貢献していきます。

発足の背景と狙い

資生堂は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、多様なバックグラウンドを持つ人びとが持てる力を発揮し、イノベーションを生み続ける組織カルチャーづくりのためダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営戦略の柱と位置づけています。日本を代表する女性活躍先進企業として、次世代へ、そして日本社会全体へダイバーシティ&インクルージョンを実現する組織カルチャーを広く伝えていくことは、当社の企業使命の一つと考えています。

昨今、多様性(ダイバーシティ)が企業の成長において非常に重要であるという議論が、産学官民さまざまな場面でなされています。しかしながら、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が発表した男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」※1における日本の順位は、主要先進国では最低の116位と、2006年から15年以上を経てもなお、そのランキングは低位で推移しています。これを一例としても、これまでの成功体験や多様性に乏しい雇用慣行を通じた固定概念を変えることは容易ではありません。
見方を変えれば、女性活躍をはじめとするダイバーシティ&インクルージョンの推進は日本の企業・社会の成長のポテンシャルでもあります。資生堂は、先進企業として、ダイバーシティ&インクルージョンの実行が組織に与える影響について、実態をともなう具体的で納得度の高いエビデンスを実証することで、日本社会全体でより優先度高い取り組みにしたいという考えから、「資生堂D&Iラボ」を発足しました。
また多様なバッググラウンドを持った人々が自分らしく豊かな人生を歩めることは極めて重要です。資生堂はこれまで以上にこのテーマを追求し、次世代につながる新しい会社や社会のカタチづくりに努めていきます。


※1 「The Global Gender Gap Report 2022」内での、各国・地域における男女格差を測る指数

今後の研究の方向性について

ジェンダー、年齢や国籍など多様なバッググラウンドをもった人財が持てる力を発揮することで、異なる価値観や考え方が新たなイノベーションを生むまでのプロセスを検証し、企業成長への因果関係の実証を目指します。
初年度である2023年は、日本における積年の課題である「ジェンダー平等/女性活躍」を最初の重点テーマと捉え、ジェンダーの多様性がもたらす効果の調査、分析による成功要因の追求、また、ジェンダー間のキャリアステップ機会の比較検証による障壁の見極めと解決向けた取り組みの実効性などを検証していく計画です。
これらの研究の一部は、より客観的視点からの検証を行う意味で、アカデミアとのパートナシップにより推進します。第一弾として、東京大学の山口慎太郎教授との共同研究では、経済学的なアプローチによって納得度の高いエビデンスの構築に努めます。

共同研究者 東京大学 山口チームについて

本研究機関には、山口氏が主幹となり、奥山陽子氏(ウプサラ大学経済学部助教授/東京大学 CREPE招聘研究員)、高橋裕希氏(ヨーロッパ大学研究所研究員/東京大学CREPE招聘研究員)が共同研究者として参画します。


【東京大学大学院経済学研究科教授 山口慎太郎氏のコメント】
「女性活躍」における日本トップ企業の資生堂と共同研究を始める機会を得て、これまでの研究を上回るような知的興奮をすでに感じています。日本の経済・社会においてもっとも伸びしろのある点は、女性の活躍、とりわけリーダー層への登用だと長年感じていました。今回の共同研究を通じて、女性の活躍はもちろん、組織内の多様性を推進し、企業のパフォーマンスも高めるような人事施策の開発を目指します。研究成果は社会全体に共有し、日本経済における女性活躍に寄与したいと考えます。

【山口慎太郎氏プロフィール】
東京大学大学院経済学研究科教授 (2019年12月~)
現在の研究分野:労働経済学、家族の経済学、教育経済学。
研究課題:教育が人々の生涯に及ぼす影響を定量的に評価するとともに、そのメカニズムを明らかにするための実証的な分析を行っている。近著『子育て支援の経済学』は一昨年「日経・経済図書文化賞」を受賞。日経新聞で「ダイバーシティ進化論」(コラム)を担当するなど、アカデミアのみならずメディアからも注目されている。



【株式会社資生堂 チーフ D&I オフィサー 鈴木ゆかりのコメント】
ダイバーシティ&インクルージョンは、当社の持続的成長にとって不可欠なだけでなく、社会の成長のための大きなポテンシャルとして捉えています。私たちは、「資生堂D&Iラボ」を通じて、多様性を阻む固定概念や同調圧力から解放され、異なる考えや価値観に触れることで新たな視点を得た人々が、会社を成長に導く過程を自社を実験場としながら実証することに挑みます。人は本来、多様です。一人ひとりが尊重され、誰もが持てる能力を発揮できるインクルーシブな組織文化そして社会に向け、私たちは挑戦を続けます。

ロゴマークについて

資生堂のコーポレートロゴに、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」を研究する機関であることがわかるよう「Lab(ラボ)」を組み合わせ、シンプルながらも、実直に真摯に研究に徹する姿勢を表現しました。

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。