2022年08月05日
発行元:(株)資生堂
研究・サプライネットワーク
資生堂、弘前大学 大学院 医学研究科に共同研究講座 「ビューティーウェルネス学研究講座」を開設
株式会社資生堂(代表取締役 社長 CEO 魚谷雅彦、以下資生堂)と、国立大学法人弘前大学(学長 福田眞作、以下弘前大学)は、2022年 4 月 1 日付で、共同研究講座『ビューティーウェルネス学研究講座(英語表記:Department of Beauty Wellness Science)』を開設し、8月5日に弘前大学にて開設式を執り行いました。
当社は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、さまざまなイノベーションに積極的に取り組み、美の力を通じて、世界中の人々を美しく、笑顔にあふれ、希望に満ちた日々を創出します。
講座開設の背景
科学技術の発展によって、体内・こころの状態を観察・分析することが可能になり、またそれらと肌との関連が少しずつ明らかになりつつあります。また、肌の美しさは、見た目だけではなく、人の行動や幸福感・充足感、ひいては個々人のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)の向上につながります。このような中、現代社会においては多様な価値観にもとづく自分らしい美しさや、従来の化粧品によるケアだけにとどまらない、新たな美しさへのアプローチを求める人たちが増えています。資生堂と弘前大学は、より広い視野と技術で、変化する社会環境や生活者ニーズに迅速かつ幅広く対応することを目指し、連携を開始しました。
弘前大学では、2005年から実施してきた「岩木健康増進プロジェクト※1」の超多項目健康ビッグデータをベースに予防医療に焦点を当てた研究を進めており、2013年には文部科学省によってその取り組みが弘前大学COI※2として採択を受けました。資生堂は強みの研究領域である皮膚科学研究や感性心理研究、近年積極的に取り組んでいる体の内外に関するホリスティック研究により培った測定・解析技術などの知見を活かし、超多項目健康ビッグデータと掛け合わせることで、肌、身体、こころの関係性を科学的に解き明かすべく研究を進めます。
※1 弘前大学が青森県弘前市岩木地区で 2005 年から実施している健康調査。2,000~3,000項目という世界に例のない膨大な検査項目を設けることで、巨大な健康ビッグデータを記録しています。
※2 弘前大学Center of Innovation。詳細は後述。
講座の概要
本講座では、弘前大学が実施する「岩木健康増進プロジェクト」の超多項目健康ビッグデータを活用し、資生堂の皮膚科学研究等の基礎研究知見・手法を融合させ、人の全体性(肌、身体、こころ)を科学する研究・社会実装を推進し、青森県民をはじめとする日本国民、ひいては世界中の人々の健康寿命の延伸・QOLの向上に加え、人が美しくよりよく生きることへ貢献します。
<講座名>『ビューティーウェルネス学研究講座』
<メンバー構成>
中路 重之(特任教授:弘前大学大学院医学研究科)
村下 公一(教授:弘前大学健康未来イノベーション研究機構)
三上 達也(教授:弘前大学大学院医学研究科)
伊東 健(教授:弘前大学大学院医学研究科)
玉田 嘉紀(教授:弘前大学大学院医学研究科)
加治屋 健太朗(株式会社資生堂 みらい開発研究所 シーズ開発センター センター長)
木村 朋子(株式会社資生堂 みらい開発研究所 シーズ開発センター 室長)
岡村 智恵子(株式会社資生堂 みらい開発研究所 シーズ開発センター)
辻田 恭子(株式会社資生堂 みらい開発研究所 シーズ開発センター)
中西 裕子(株式会社資生堂 みらい開発研究所 R&D戦略部)
<契約期間>2022年4月1日 〜 2027年3月31 日
<設置場所>弘前大学大学院医学研究科(青森県弘前市在府町5)
参考:弘前大学COI(センター・オブ・イノベーション)
弘前大学COIは、革新的イノベーション創出プログラム「COI STREAM」を運営する組織として確立し、“10年後の理想とする社会”(将来像)からバックキャスティング(振り返り)した研究活動を行い、創出された新しい成果を社会実装させることで大きなイノベーションを起こすために長期間(最大9年間)の研究を支援する文部科学省・JST(科学技術振興機構)の大型研究支援プログラムでした(2013年~2022年)。現在、COIの体制を継承した組織として、健康未来イノベーション研究機構が設立されています。
これまで、弘前大学COIは、青森県弘前市岩木地区で2005年から実施してきた「岩木健康増進プロジェクト」の 2,000~3,000項目にわたる超多項目健康ビッグデータを解析することで、認知症・生活習慣病などの早期発見を可能にし、予防方法の創出と検証を行い、その成果を社会実装することを目指しています。2019年には、「第1回日本オープンイノベーション大賞」にて最も優れた取り組み・プロジェクトとして最高の「内閣総理大臣賞」を受賞、「第7回プラチナ大賞」において「大賞・総務大臣賞」、2020年には「イノベーションネットアワード2020」「文部科学大臣賞」、および第1回アジア健康長寿イノベーション賞「国内優秀事例賞(コミュニティ部門)」を受賞しています。
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