1. Home
  2. ニュースリリース
  3. 資生堂、新たなサプライチェーン拠点を大阪茨木市に設立

2021年09月17日

発行元:(株)資生堂

経営・業績

研究・サプライネットワーク

サステナビリティ

資生堂、新たなサプライチェーン拠点を大阪茨木市に設立

~工場、物流、コンシューマーセンター、一般向け見学コースの4つの機能が揃う拠点として2021年9月より始動~

資生堂は、プレステージスキンケア製品の生産と、物流を担うサプライチェーン拠点として、大阪府茨木市に大阪茨木工場と西日本物流センターを昨年12月に竣工しました。2021年9月より、工場、物流、コンシューマーセンター※、一般向け見学コースの4つの機能を備えた新しいコンセプトのサプライチェーン拠点として始動します。
資生堂は、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」になるため、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のもと、抜本的な経営改革を実行しています。2030年までにスキンビューティー領域における世界No.1の企業になることを目指し、2021年~2023年の主要戦略では、「高収益構造への転換」、「スキンビューティーへ注力」、「成長基盤の再構築」を掲げています。今回、「高収益構造への転換」として生産性の向上、「スキンビューティーへ注力」として生産体制の強化、「成長基盤の再構築」としてサステナビリティを意識した生産供給体制を整えました。本拠点では、生産を担う工場に資生堂として初めて物流センターを併設し、生産から輸送にかかる作業効率を上げ、輸送時にかかるコストや環境負荷を軽減し、また地域に開かれた工場として一般のお客さま向けの見学コースと、お客さまの声をものづくりに生かすためのコンシューマーセンターの分室を新たに設置しました。また本拠点にある大阪茨木工場では、プレステージスキンケア製品の生産工場として、資生堂のスキンビューティー領域の生産をグローバルでリードしていきます。

※ お客さまから寄せられた相談・要望などを社内に還流し、商品開発などに活かす取り組みを管轄する部門。

大阪茨木工場の特長

①プレステージスキンケア製品の生産工場
大阪茨木工場は、88の国と地域で展開するブランド「SHISEIDO」の美容液アルティミューンをはじめ、グローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」を中心とした、プレステージスキンケア製品を生産する工場です。「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、2023年以降生産数量を約1.6億個まで引き上げ、将来の需要に対応していきます。

②環境に配慮したサステナブルな工場
大阪茨木工場は環境に配慮した建屋構造を有しており、工場建造物としては評価の高い、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)のA評価を取得しました。外壁に軽量で断熱性に優れたサンドイッチパネルを採用したことにより、建物内の断熱性能が上がり、工場、物流センターを運営するエネルギー(CO2)を約30%削減することが可能となりました。また、製造時に使用する冷却水については、循環水の再利用により年間65,000tの水使用量の削減効果を生み出しています。加えて、工場と物流センターが隣接することによって、製品の輸送時にかかるCO2削減効果は年間60t以上を見込んでおり、環境負荷軽減に取り組んでいきます。

③「PEOPLE FIRST」な職場環境
資生堂は「PEOPLE FIRST」という考えのもと、人材が会社にとって最も大切な資産であり、「強い個が強い会社をつくる」という組織を目指し、人材育成へ積極的に投資しています。サプライチェーン拠点でも高い品質を支えるのは「人」という考えのもと、「人」が働きやすい環境を取り入れています。従業員の6割以上を占める女性目線でのワークプレイス改革をはじめ、場所とスタイルを自由に選択できるABW(Activity Based Working)の考え方に基づいたフリーアドレスのオフィス環境を取り入れ、全スタッフ部門を集約した広い空間を設計することで、部門間の交流による業務効率の最大化や、新価値の創出を満たすオフィスを実現しています。全社員が利用する食堂は、全面の窓から自然光が入る、開放的な円形の吹き抜けとなっており、本拠点のシンボルです。また生産現場では、充填仕上げエリアにおいて、材料資材やバルクなど「モノをはこぶ」という作業を自動化する最先端のIoTにより、作業負荷が軽減され、社員が働きやすい職場環境を実現しました。

④地域のみなさまと共に
茨木市の新しい住民として、地域のみなさまとの信頼関係構築に向けた継続的な取り組みを大切にしていきます。また地域に開かれた工場として、民間、官公庁、学校など、地域の交流活動の場となれるよう、地域との共存共栄を目指します。また単なる工場としての機能だけではなく、工場から世界の人々にブランド価値と品質へのこだわりを発信し、資生堂ファンを増やす拠点としても位置付け、一般のお客さま向けに見学施設を導入した迎接棟「SHISEIDO BEAUTY SITE」をオープンし、2022年以降工場見学をスタートする予定です。

西日本物流センターの特長

西日本物流センターは、大阪茨木工場の他に当社の国内工場で生産された商品を入庫、保管し、全国7か所ある出荷センターへ在庫を供給する物流の機能(物流センター)と、関西エリアを中心とした近隣のリテーラーに商品をお届けする出荷機能(商品センター)を担う、資生堂が自社で運営する統合型の物流センターです。

①工場と倉庫の一体化によるサプライチェーンの構築
国内最大規模の商品保管自動倉庫を介し、隣接する大阪茨木工場で生産された商品の入庫を自動化することで、作業の効率化を図りました。また工場、物流センター、商品センターの機能を集約することにより、効率的なサプライチェーンを構築し、市場への商品供給リードタイムの短縮と輸送コストの削減が可能となりました。

②世界初の出荷システム導入による徹底的な省人化を実現
資生堂独自の機能を追加した次世代型マルチシャトルに製函と封函の自動化も加えることで、商品のピッキングから梱包と荷札のラベリングまで同時に行う歩行レスの出荷システムGP3(Goods to Person for Pick and Pack)を採用しました。このシステムは、物流センターの4階と3階の2階層に渡り稼働し、高い出荷能力を有する、効率化を最大限に追求した世界初の出荷システムです。荷積み(パレタイジング)や荷下ろし(デパレタイズ)の自動化など、徹底的な省人化を実現し、効率的に製品を市場に届ける設備を備えています。

生産拠点戦略の考え方

資生堂は中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のもと、生産拠点戦略においては、グローバルな視点でサプライチェーン戦略の構築を進めており、原価だけでなく、リードタイムや在庫、原材料調達など様々な要素を加味し、各工場にて、柔軟に対応できる体制づくりを目指しています。また、IoTやAIなどの最新技術を取り入れた最先端工場を目指し、同時に働く人が誇りを持って快適に働ける工場にしていくことで、業界をリードできるモノづくりの体制を構築していきます。
またアフターコロナを見据えた、将来予想される国内外の化粧品需要拡大に対応するため、2019年の那須工場、今回の大阪茨木工場に続き、福岡久留米工場(福岡県久留米市)が来年2022年度上期に稼働予定です。

新拠点の概要

住所:大阪府茨木市彩都もえぎ1-4-1
土地面積:72,435㎡
建築概要:地上7階(鉄骨造)
投資規模:約635億円
工場機能(名称):大阪茨木工場
生産品目:国内外向けプレステージスキンケア製品
生産能力:年間約1億6,000万個 (2023年以降)
稼働開始:2020年12月21日
物流機能(名称):西日本物流センター(WDC)
配送範囲:西日本エリアを中心
保管能力:33,000パレット
稼働開始:2021年3月1日

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。