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化粧療法研究室ハカセのブログ

ペットボトルの開け方で筋力低下かどうかをチェックする方法

前回はオーラルフレイルについて紹介しましたが、今回は身体的フレイルのお話です。
身体の衰えを判断する要素の一つに筋力の低下があります。握力は全身の筋力の指標となるため、フレイルの評価項目としても採用されています。
ちなみに、男性28kg以下、女性18kg以下が要注意といわれています。

昨年、国内飲料メーカーから、地域在住の65歳以上の高齢者336人(平均年齢74.6歳±5.9歳、女性58.3%)を対象として、ペットボトルの開け方と筋力低下の関連を調べた研究が報告されました。

方法

  • ペットボトルのふたをあけてもらい、その開け方を4つに分類(URL参照)
  • 利き手の握力を測定
  • 筋力が低下している人がどのような開け方をしているかを分析
  • https://www.itoen.co.jp/news/article/57372/ (外部サイトへのリンク)

調査の結果、最も多かった開栓動作「側腹つまみ」の人に比べて、「逆筒握り」の人は、筋力低下と有意な関連が認められ、「側腹つまみ」の開け方の人と比べて、「逆筒握り」の人は筋力低下に該当する可能性は2.7倍高いことがわかりました。
Shiratsuchi D, et al. Geriatr. Gerontol Int. 23 (10) 758-760 2023

側腹つまみ
側腹つまみ
逆筒握り
逆筒握り

「側腹つまみ」は、ほぼ親指と人差し指の力を使って開けているので、握力がある程度維持されていると思われます。指先の力が低下すると、手全体でしっかり握って開けようとするので、逆筒握りになってしまうのでしょう。ご自身や周囲の人に逆筒握りをしている人はいませんか?その開け方をしていると握力が低下してるサインです。

では、化粧品の容器ではどうでしょうか?
化粧品の容器の形状はいろいろあります。例えば化粧水の容器だと大きくは3タイプになります。

  • ディスペンサー式:指でプッシュして一定量出す容器
  • スクリュー式:ペットボトルのように蓋を回して開ける容器
  • ワンタッチ式:こしょうの容器のようにふたと本体が一体となっている容器

化粧品の容器は、形状がほぼ同じのペットボトルとは異なり、ブランドによってデザインが全く異なり、材質、大きさ、長さ等形状もバラバラですので、なかなかはっきりしたことは言えません。
ただ、化粧容器を開ける時にも握力は必要です。さらには何かを顔につけるときも、上肢の筋力が必要です。
どんな筋肉が関わっているのかは、下記サイトの「身体」をご覧ください。
https://corp.shiseido.com/seminar/jp/labo/index.html

前回同様、きちんとした身体測定をしなくても、身近な生活行動から身体の衰えのサインを知ることができます。自分自身や身近な人の行動を観察することが、健康寿命延伸の第一歩なのかもしれません。

お知らせ

現在、新聞QUINT ONLINE(歯科専門新聞 奇数月発刊)で、6回シリーズで化粧療法コラム連載中!(登録すると全文が読めます)
https://www.quint-j.co.jp/articles/web/5692 (外部サイトへのリンク)

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