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化粧療法研究室ハカセのブログ

歩行訓練士という資格

どのようなお仕事をする専門職と思いますか?
国内の従事者・登録者数は、約740人(2018年時点)いらっしゃいます。
介護施設で高齢者のリハビリとして「歩く」を支援する資格???

別称は、「視覚障害生活訓練等指導者」です。
主な仕事は、視覚に障がいのある方が白い杖(白杖)を使って安全に歩く方法や人と歩く方法(手引き)など、屋内外の歩行訓練の指導です。その他には機器やパソコンを使って他者とコミュニケーションをとったり、日常生活動作の指導を行ったりします。

https://nippokai.jp/wp/foryou/tobeaom/ (外部サイトへのリンク)
https://eyelight.eek.jp/wt1.html (外部サイトへのリンク)
※盲導犬との歩行指導を行う盲導犬歩行指導員とは異なります

視覚障がい者(N=201)の外出状況について調査した結果によると、危険な外出(転倒や衝突)を7割の方が経験していて、3割の方はけがをするほどの事故を経験していました。さらに約2割がほとんど外出しない「閉じこもり」という結果でした。
(社会福祉学 53(2) 94-106, 2012)

安全な外出ができるように、歩行訓練士のお仕事がいかに重要であるか、お分かりいただけるとかと思います。
しかしながら、いくら歩行技術を習得する機会や周囲の支援を含めた福祉サービスが充実しても、ご本人の「外出したい」という意欲がなければ閉じこもってしまいます。
一度危険な経験をすると恐怖感が残り、外出意欲が低下し、閉じこもってしまう可能性があります。

今年、弊社が視覚障がいの方(N=32)に行った調査では、31%がもっと外出したい、25%が周囲に負担でなければもっと外出したいと、約半数の方が外出をしたいとの回答でした。

資生堂は、化粧のちからでそのような外出意欲を後押しする取り組みをしています。
昨年、視覚障がい者のためのメイク法「ガイドメイク」を開発しました。もちろん化粧のやり方の習得や化粧を楽しむということを目的としていますが、もう一つの目的は、化粧を通じて、「外出したい」気持ちになっていただくことです。

ガイドメイク紹介動画はこちら
※現在、セミナーは新型コロナの影響で自粛中

資生堂「ガイドメイク」に込めた3つの想い
① 見えない・見えにくい方でもできるメイク法をガイドする
② 年齢とともに衰える肌のお手入れ法をガイドする
③ メイクアップを通じて外出したい、誰かに会いたいという気持ちにガイドする

このガイドメイクを推進するのは、資生堂のビューティーセラピストという専門スタッフです。もちろん歩行訓練士のレクチャーも受講済みです。

外出したい気持ちをサポートしつつ、安全な外出ができるように、今後も歩行訓練士さんと連携しながら、この活動を広げていければと思います。

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