資生堂の化粧療法ハカセのブログ

今どきの高齢者(70代)の化粧実態

10年ほど前に65歳以上の健常な高齢者の化粧実態をアンケート調査しました。
10年が経過して、今の高齢者がどうなのかを知るために今年に入りWeb調査を行いましたので、一部ですが、結果をご紹介します。

調査名
高齢女性の身だしなみ・化粧実態調査
調査時期
2020年1月23日(木)16:30~26日(日)17:00
対象者
全国の70歳以上の女性300人(70-74歳、75-79歳, 80-84歳 各100人)
調査方法
インターネット調査

注)Webアンケートのためインターネットユーザーの回答であることをご了承ください。

化粧 スキンケア メイク
年代 する ほとんどしない する ほとんどしない
70-74歳(N=100) 99% 1% 88% 12%
75-79歳(N=100) 98% 2% 86% 14%
80-84歳(N=100) 88% 12% 78% 22%
全体(N=300) 95% 5% 84% 16%

年齢を重ねるにつれて、徐々にコスメアウト(化粧をやめる)する割合が高くなっています(特にメイク)が、ほとんどの方がスキンケアもメイクもしています。おそらく他の世代とそんなに変わらないでしょう。

ただ、もう少し詳しく(化粧頻度)を調べてみると、決定的に他の世代と異なると思われる結果が得られました。
メイクをご覧ください。

化粧 スキンケア メイク
年代 ほぼ毎日 外に出る時・
人と会うときだけ
ほとんどしない ほぼ毎日 外に出る時・
人と会うときだけ
ほとんどしない
70-74歳(N=100) 90% 9% 1% 36% 52% 12%
75-79歳(N=100) 87% 11% 2% 34% 52% 14%
80-84歳(N=100) 75% 13% 12% 29% 49% 22%
全体(N=300) 84% 11% 5% 33% 51% 16%

※70-74歳(N=100)メイク「外に出る時・人と会うときだけ」の数字に誤りがありました。
誤)56% 正)52%
お詫びして訂正いたします。

この年代の約半数は、メイクをしていますが、毎日している訳ではないのです。毎日している人は約3割です。
一方、みなさんの周囲の女性は、おそらくほぼ100%の方が、「ほぼ毎日メイクをしている」と回答するかと思います。
ここで知っていただきたいのは、メイク行為は、外出や人との交流の機会や頻度に影響を受けているということです。
実際の話ですが、介護施設内で、化粧療法を実践したときに、参加者はメイクを楽しそうにしますが、その後、毎日にメイクをするようになるかというと、そんなことはほとんどありません。なぜなら、外出や人との交流の場面が少ない、あるいはほとんどないからです。そういう機会や場面がない限り、女性はメイクをしようという気にならないでしょう。

皆さんにも身に覚えがあるはず。。。。
ドシャ降りの台風の日、誰とも会わないとわかっていたら、いつものようなフルメイクはしませんよね。

化粧療法をうまく現場で続けていくには、そしてより効果的に実践するには、外出や人との交流の場面を周囲が準備しておくことが重要です。その場限りの活動にならないためにも是非ご理解ください。

ちなみに、今回のこれらの結果は、10年前とほぼ同じでした。
10年前と今の高齢者は違うのでは?、インターネットユーザーだから違うのでは?と思っていましたが、高齢者の化粧行動が大きく変わることはないようです。
化粧(特にメイク)は、日常生活や生活環境に強く影響を受けます。おそらく今後も、高齢期の生活が劇的に変わらない限り、高齢者の化粧行動はさほどかわらないでしょう。
また、10年後?に調査したいと思います。

最後にお詫びがございます。
先月のブログで案内しました2/22,23開催のがん看護学会での出展は、コロナウイルスの感染拡大リスクを軽減するため出展を急遽中止しました。
学会に参加された看護師のみなさまには、大変ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。また、別の機会でお会いできればと思います。
今後とも化粧療法をよろしくお願い申し上げます。

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