資生堂の成長戦略
はじめに、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々、ご遺族のみなさまに謹んで哀悼の意を表すとともに、罹患されている方々や、困難な状況におられる皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
2019年は、不透明感を増す厳しい経営環境の中、確実な成長を実現し、売上高、営業利益、当期純利益が前年に引き続き過去最高を更新しました。営業利益率は10.1%と二桁の利益率を初めて達成しました。
これまで注力してきたプレステージブランドが成長をけん引したほか、米国のプレステージスキンケアブランド「Drunk Elephant」の買収や、日本発のブランドである「エリクシール」、「アネッサ」のグローバル展開強化にも取り組みました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、2020年のみならず、数年先まで及ぶ可能性があり、そして生活者やビューティー市場の在り方も変化していくと考えています。だからこそ、厳しい経営環境の中でも、資生堂がさらに強く、成長力のある会社として発展を遂げていくために、2023年以降の新ビジョン実現に向けて、2020年は「経営を守る・中期戦略の見直し」、2021~22年は「抜本的な構造改革の推進」に集中的に取り組み、強固な収益基盤・成長基盤を再構築します。
社会課題の解決、人々が幸せになる持続可能な社会の実現のため、資生堂ならではのESCG(環境、社会、文化、ガバナンス)の取り組みをグローバルで強化しています。
2020年も、新型コロナウイルス感染拡大に対応して、早期に「爱心接力RELAY OF LOVEプロジェクト」を立ち上げ、さらに、独自に開発した手荒れに配慮した消毒液を生産し、世界の医療機関等へ提供するなど、さまざまな支援を行っています。
「美」は人々に自信や勇気、喜びや幸せ、新たなエネルギーをもたらします。私たちは、現在の困難な環境下こそ、「美」を通じて社会を元気にしていくことができる、そして、「美」には世界を変える力があると信じています。
「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、新たな価値を生み出す「ビューティーイノベーション」を実現する、この使命を胸に、私たちは、One Shiseidoとして確実に歩みを進めてまいります。
株主・投資家のみなさまにおかれましては、今後も変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2020年5月
代表取締役 社長 兼 CEO魚谷 雅彦