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2023年02月10日

発行元:(株)資生堂

経営・業績

資生堂、中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」を策定

~Shift for New Growth~

資生堂は、今年からスタートする2023年~2025年までの3カ年を中心に取り組む中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」を策定しました。「SHIFT 2025 and Beyond」は、「守り」から「攻め」に転じる躍動の期間として、新経営体制のもと、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、さらなる事業成長を確実なものにします。

「WIN 2023 and Beyond」で達成したこと

2021年から取り組んできた中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」は、新型コロナウイルス感染症が厳しい影響をもたらす中、多くの成果を生み出しました。まず、収益性を高めるため「選択と集中」を実行し、パーソナルケア事業譲渡やメイクアップブランドの譲渡など厳しい判断を必要とする変革を世界中で鋭意進め、徹底した構造改革を実施しました。また、長年の懸案であった欧米の収益性を改善しました。さらに全社でのスキンビューティー売上比率を着実に拡大させました。そして、日々変化する市場環境に迅速に対応するデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速やFOCUS※1の投資、最先端技術を搭載した新工場や物流体制を構築し、高い品質や生産性を実現しました。このような様々な取り組みを間断なく実行し、強固な財務基盤を確立することができました。
※1全世界共通のITプラットフォームの構築・最適化(データの標準化や業務プロセスの最適化など)を進めるプロジェクト。

「SHIFT 2025 and Beyond」の目標と重点領域

「SHIFT 2025 and Beyond」は、まず「WIN 2023 and Beyond」の残った課題である日本事業の成長性回復に取り組みます。2023年から3年間の抜本的な改革により、2025年に同事業で500億円を超えるコア営業利益を実現します。また、同期間において持続的な売上成長と収益性を向上させるための改革を実行し、Personal Skin Beauty & Wellness Companyを目指します。長期的な成長を目指すうえで、「ブランド」、「イノベーション」、「人財」の3つの重点領域への投資を強化し、コア営業利益率で、2025年までに12%、さらに2027年の最終年度には15%という目標達成を計画しています。
引き続き当社は、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、美の力を通じて「人々が幸福を実感できる」サステナブルな社会の実現を目指していきます。

1.長期的な成長を目指した主な重点領域
(1)ブランド価値の向上・強化
「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」などのグローバルブランドをはじめ、「エリクシール」などアジアをメインに展開しているブランド、フレグランスブランド、メンズブランド、そして戦略的に開発された新ブランドに対して、マーケティング投資を3カ年累計で1,000億円超※2追加投資します。
※2 23-25年累計 22年比増加総額

(2)イノベーションへの研究開発費の継続投資
グローバル体制を活かした各地域における研究所との連携をこれまで以上に強化し、イノベーション領域の拡大、生活者への魅力ある訴求開発などの研究開発プロセスを進化させていきます。また、当社の知見を、外部との共同研究や企業間連携・M&Aなどを通じて取り入れた技術と掛け合わせ、新たな商品やサービスの創造を進めます。イノベーションのさらなる加速に向け、売上高比率3%の研究開発費を投資します。

(3)グローバルな人財・リーダーシップの強化
「PEOPLE FIRST」という考えのもと、人財育成へ積極的に投資しています。将来のリーダー候補社員に対する選抜型プログラムや自発的キャリア開発支援、グローバルでの人財配置の加速や報酬制度の整備など、今後も企業成長を支える「人財」に引き続き投資をしていきます。さらに、創業150周年の記念事業として、今秋、当社の創業の地である銀座に次世代を担う人材開発の拠点「Shiseido Future University」をオープンし、代表取締役 会長CEO魚谷雅彦が初代学長を務めます。

2.各地域事業の主な取り組み
積極投資により継続的な安定成長を実現・高収益構造へ転換を目指します。
・日本:ブランド力・組織力の強化、再成長による収益基盤の再構築
・中国:ブランドポートフォリオの拡充・新領域開発
・アジアパシフィック:将来の有望市場における事業基盤構築
・トラベルリテール:旅行者向けの独自価値を構築
・米州:次なる成長の柱として成長基盤を構築
・欧州:構造改革を経て収益性を伴う成長の実現

3.財務戦略
(1) 財務目標
これまでの構造改革を経て構築した強固な財務基盤を活かして、2023年以降は、戦略的な成長投資を加速し、これによる持続的な売上拡大とコスト低減、そして収益性・キャッシュ創出力の強化に取り組みます。
売上高CAGR※3は、2023年から2025年までの3年間で+8%(22年比)、2026年から2027年までの2年間で+6%(25年比)を目指します。
コア営業利益率は、この力強い売上成長とコスト低減施策の両輪で、2025年に12%、2027年に15%の実現を目指します。また、フリーキャッシュフローは2025年に1,000億円、EBITDA※4マージンは、2025年に18%、2027年に20%を見込みます。資本効率については、2025年にはROICで12%、ROEで14%を実現します。
※3為替影響、事業譲渡影響を除いた年平均成長率
※4コア営業利益+減価償却費(使用権資産の減価償却費を除く)

(2) キャッシュアロケーション
当社の価値創造ドライバーである「ブランド」、「イノベーション」、「人財」への積極投資を通じた収益性改善で、2023年から2025年の3年間で4,000億円のキャッシュインフローを見込みます。この創出したキャッシュを、FOCUSを始めとしたIT/DX関連や、工場への省エネ設備の導入等の設備投資、またM&A・新領域への成長投資に振り向け、中長期的な企業価値の最大化に向けた好循環を構築します。

(3)株主還元
株主への利益還元については、直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による「株式トータルリターンの実現」を目指しています。フリーキャッシュフローの状況を重視し、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)2.5%以上を目安とした長期安定的かつ継続的な還元拡充を実現します。

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。