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2022年03月31日

発行元:(株)資生堂

技術・研究開発

資生堂、目周りの皮膚に特有な加齢変化を発見

~目元悩みを引き起こす真皮上層のランダム配向コラーゲンの減少~

資生堂は、徳島大学との共同研究により、偏光SHG顕微鏡を用いて、目周りの皮膚では他の皮膚とは異なる特有の加齢変化が起こることを発見しました。今回開発した新たな観察手法により、目周りの真皮上層部はコラーゲン線維の配向がランダムで柔らかい構造をしており、真皮下層部はコラーゲン線維の配向が一方向で硬い構造をしていることを明らかにしました。さらに、加齢に伴い、上層のランダム配向コラーゲンのみ顕著に減少し、下層の一配向コラーゲンは維持されることを確認し、これが目元のたるみやシワの原因の一端であることを見出しました。本研究成果の一部は「European Society for Dermatology」(2020/9/2-9/5)にて発表しました。
本研究は、資生堂独自のR&D理念『DYNAMIC HARMONY』のInside/Outsideというアプローチで研究を進めています。目周りに特徴的な肌内部の加齢変化を理解することで、目元の悩みに対する根本的な解決を目指し、お客さま本来の美しさを引き出す、目周りに特化した革新的な製品やサービスの開発に取り組みます。

図1:目周り特有の加齢変化(イメージ)

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研究背景

目周りの皮膚は他の部位と比べて薄く、頬の皮膚の3分の1から2分の1ほどの厚さしかありません。特に、真皮層(コラーゲン)の厚さが大きく異なることがわかっています。また、まばたきや表情の変化など、日々の生活の中で頻繁に動かし続けていることから、目元は疲れや加齢の影響が特に出やすい部位とされています。当社はこれまでにも、皮膚の中のコラーゲンの厚さや形状といった形態評価を行ってきましたが、従来の技術では線維の走る方向や線維密度(硬さ)といった質的評価を行うことは困難でした。そこで今回、徳島大学と共同でコラーゲン線維の新たな観察方法を確立し、目周りの構造についてさらに研究を進めました。

図2:頬と目周りの皮膚構造の違い

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偏光SHG顕微鏡を用いた目周りコラーゲン線維の質的評価

徳島大学との共同研究により、偏光SHG顕微鏡を用いてコラーゲン線維の向きと密度を解析する技術を新たに開発し、目周りの皮膚は特徴的なコラーゲン構造をもつことを発見しました。目周りには、眼輪筋の流れに対して垂直に一方向に走る、太く硬いコラーゲン線維の層と、様々な方向にランダムに走る、密度の低いふわふわと柔らかなコラーゲン線維の層が存在することを明らかにしました。また、加齢に伴い、真皮上層に存在するランダム配向コラーゲン線維のみが顕著に喪失することを見出しました。真皮下部に存在する方向性のあるコラーゲン線維は加齢変化で減少しませんが、線維が一方向で硬い状態だと、シワの固定化を引き起こす可能性があります。こうした構造変化によって本来の形状を保つことが困難となり、目元のたるみやシワなどの肌悩みに繋がります。お客さまが自分らしく美しい肌を維持するためには、二層のコラーゲン構造へのアプローチが有効であると考えられます。

図3:偏光SHG顕微鏡を用いた目周りコラーゲン線維の質的評価

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参考:レチノールによるコラーゲン産生効果

資生堂は、約30年間に及ぶレチノール研究の基盤技術をもとに、2017年に日本で初めて、有効成分レチノールによるしわ改善効能効果に対し厚生労働省から承認を取得しました。その後も研究を続け、2018年には、レチノールがコラーゲン産生を顕著に促進するなど、真皮への効果も確認しています。
・有効成分純粋レチノールによるしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて取得(2017年)
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002135
・首のしわの改善効果を新発見、8週間で実現~レチノールの新効果 真皮に届きコラーゲン・ヒアルロン酸など産生促進~(2018)
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002518

今後の展望

本研究により、目周りで特異的に起こる加齢変化を捉えることに成功し、加齢によって目元のたるみ・シワなどが形成される原因の一端を解明することができました。今後、得られた知見をもとに、部位や目的に応じた適切なスキンケアへのアプローチの開発を目指します。当社は今後も最先端の研究知見をもとに、世界中のお客さまの肌悩みを解決につながる、革新的な研究を進めていきます。

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。