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2020年09月17日

発行元:(株)資生堂

技術・研究開発

資生堂、シミ部位の血管密度が色素沈着の改善に影響することを発見

資生堂は、肌内部の血管を3次元で観察する独自技術※1を活用し、シミ部位※2に存在する血管密度が高いほど、シミの色素沈着が改善しにくいことを発見しました。本知見は、東京女子医科大学講師の根岸圭医師との共同研究の成果です。当社の先行研究において、シミ部位の血管がシミの形成に関与していることを明らかにしてきましたが、今回はこの血管がシミの色素沈着の改善プロセスに対しても影響を与えることを発見しました。これは、美白※3ケアにおける血管の重要性を更に裏付けるものです。今後も、これまで長年培ってきた美白研究の成果を活用し、多角的なアプローチで明るく健やかな肌の実現を目指します。
本研究の成果の一部は「第38回 美容皮膚科学会総会・学術大会」(2020/9/12-13)で発表し、優秀演題に選ばれました。

※1 肌を切らずに毛細血管を可視化することに成功(2017年) https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002265
※2 本研究では、慢性的な紫外線ダメージの蓄積により発生するシミ(日光性色素斑; Solar Lentigo(SL))に対して検討を行いました。
※3 美白とは、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐことです。

図1: 血管密度が高いシミほど色素沈着は改善しにくい

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血管とシミの関係性

シミには、部位・大きさ・濃さ・色合い・輪郭などにおいて様々なタイプがあり、発生要因も複数存在することがわかっています。資生堂では、シミ部位の肌で特異的に観察される現象を長年研究し、様々なシミの発生要因に応じた多角的なソリューションを開発してきました。2017年には、慢性的な紫外線ダメージの蓄積により発生するシミ領域の真皮上層において、異常な毛細血管のネットワークが存在することを発見※4し、シミ形成と血管には密接な関係があることを明らかにしました。本研究では、シミの過剰な色素沈着をレーザー治療により除去した際のシミ形態を追跡調査することにより、血管がシミの形成・維持にどのような影響を及ぼしているのかについて検証を行いました。

※4 異常な毛細血管ネットワークがシミ形成に関与することを発見(2017年) https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002264

図2: シミ部位は正常部位と比べて血管密度が高い

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シミ部位の血管密度が色素沈着改善に与える影響

シミに対する有効な治療法の1つに、美容医療現場で施術されるピコ秒レーザー治療※5があります。しかし、色素沈着の改善度合いにはシミごとに個体差があり、事前に治療効果を正確に予測することは容易ではありませんでした。

※5 近年開発された治療法で、超短パルスのレーザーを用いることにより、周辺組織へのダメージを低減した治療を実現しています。

図3: ピコ秒レーザー治療(イメージ図)

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本研究では、肌を傷つけずに肌内部の血管を可視化する独自の光干渉断層血管撮影技術(OCTA:Optical Coherence Tomography Angiography)を用いて、真皮上層の血管密度とシミに対するピコ秒レーザー治療効果との関係性について解析を行いました。その結果、施術前の血管密度は、施術3か月後のシミの色素沈着の改善率(メラニンの減少率)と有意な逆相関関係にあることがわかりました(図4)。このことは、真皮中の血管密度が高いタイプのシミほど、色素沈着は改善しにくいことを示しています。

図4: シミ部位の血管密度と色素沈着改善率は逆相関する

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図5: シミ部位の血管密度と色素沈着改善率の関係(イメージ図)

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本研究のまとめ

今回の研究では、資生堂の独自技術を活用することにより、シミ部位の血管の状態が、シミの形成だけでなく改善プロセスにおいても密接に関係していることを解明し、美白ケアにおける血管の重要性を改めて示しました。今後も、幅広い視点から美白研究を進め、明るく健やかな肌の実現に向けて挑み続けます。

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。