1. Home
  2. ニュースリリース
  3. 第9回 「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」受賞者10名決定

2016年07月07日

発行元:(株)資生堂

研究・サプライネットワーク

第9回 「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」受賞者10名決定

未来のリーダーとなる女性研究者を支援し、次世代への裾野を広げる

資生堂は、次世代の指導的役割を担う女性研究者を支援する、第9回「資生堂 女性研究者サイエンスグラント※1」の受賞者10名を選出しました(応募総数178名)。授賞式は7月8日(金)に開催し、受賞者には資生堂から各100万円の研究助成金を贈呈します。
※1:グラントとは「研究助成金」の意味

資生堂 女性研究者サイエンスグラント設立の背景

日本における研究者に占める女性の割合は14.7%に留まっており、諸外国(例: 1位 ポルトガル45.4%、14位 アメリカ34.3%)と比べて大きく下回っています※2。また、助教・准教授・教授と職位が上がるにつれてさらに女性の割合が低くなる傾向があります※2。この背景には、女性は男性に比べて出産・育児・介護などの影響を受けやすい一方で、サポートする環境が十分ではないことが要因として挙げられます。資生堂はこうした状況を踏まえ、指導的立場を目指す意欲があり、科学技術発展への貢献が期待できる女性研究者を支援することを目的に、2007年度に本グラントを設立しました。
※2:内閣府 平成28年版男女共同参画白書より

未来のリーダーとなる女性研究者を支援

本グラントは応募者の年齢制限を設けず、研究分野も自然科学全般を対象にしています。女性研究者が出産・育児・介護などに左右されずに研究を続けられるよう、出張時のベビーシッター代や研究を補助するアシスタントの雇用費など、助成金を柔軟に幅広く使用して頂けるのが特長です。本グラントの受賞は大学内外でのキャリアアップにも寄与し、歴代受賞者79名のうち5割が、受賞後に助教から准教授、准教授から教授へと昇格・栄転されました。

第9回 資生堂 女性研究者サイエンスグラント 授賞式概要

日時:2016年7月8日(金) 10:00~12:00
会場:スペースFS汐留 (東京都港区東新橋1-1-16汐留FSビル3F)
授賞式次第:
・主催者挨拶 [本グラント審査委員長、株式会社資生堂執行役員常務 島谷庸一]
・記念楯贈呈/第9回受賞者挨拶/第8回受賞者挨拶
・社外審査委員祝辞 [本グラント審査委員、日本女子大学名誉教授 小舘香椎子先生]
・基調講演「受賞者へのエール」  [本グラント審査委員、弘前大学准教授 柿崎育子先生 (本グラント第3回受賞者)]

第9回 資生堂 女性研究者サイエンスグラント 受賞者一覧

助成期間:2016年6月~2017年5月

氏名
所属・職位
研究分野・受賞研究テーマ
(ひとこと説明)

浅井 歩 (あさい あゆみ)
京都大学 大学院理学研究科 附属天文台 准教授
【太陽物理学】 宇宙天気の擾乱(じょうらん)源である、太陽プラズマ噴出の発生機構の解明
(宇宙空間の乱れの原因となる、太陽からのプラズマ噴出現象の発生機構を解明します)

稲田 幹 (いなだ みき)
九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 助教
【無機材料化学・環境・エネルギー関連材料開発】 大気汚染物質除去のためのメソ多孔質シリカ-チタニア-アパタイト材料の開発
(大気中の多様な有害有機物を効率的に除去するための吸着・光触媒材料開発)

井上 雅世 (いのうえ まさよ)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター 研究員
【生物物理学】 非要素還元型アプローチによる協同的な遺伝子発現制御メカニズムの解明
(生物に学ぶ、低精度の部品から高機能のシステムをつくるメカニズムを明らかにする研究)

伊村 くらら (いむら くらら)
中央大学 理工学部 応用化学科 助教
【コロイド界面化学】 金ナノ結晶の再生を指向した、界面活性剤分子機能にもとづく異方形態チューニング手法の確立
(洗剤と同じ仕組みをもつナノレベルの分子の集まりを使って、金ナノ結晶表面原子を自在に並び変える研究)

宇田 亮子 (うだ りょうこ)
独立行政法人 国立高等専門学校機構 奈良工業高等専門学校 物質化学工学科 准教授
【界面化学・機能性有機化学】 光薬物送達を目指したマラカイトグリーンの光化学反応が誘起するナノカプセルとジャイアントベシクルの融合
(光を使って薬を運搬―小さなカプセルは細胞と融合するか?―)

釜崎 とも子 (かまさき ともこ)
北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子腫瘍分野 特任助教
【細胞生物学・微細形態学】 正常上皮細胞と変異細胞間に生じる細胞競合における細胞の相互認識過程の解析
(正常細胞ががん細胞を認識・排除する仕組みについて研究します)

関(市川) まどか (せき まどか)
岩手大学 農学部 共同獣医学科 獣医寄生虫学研究室 助教
【獣医寄生虫学】 シナプトネマ複合体に着目した単為生殖型肝蛭(かんてつ)の生殖様式の解明
(肝臓の寄生虫「肝蛭(かんてつ)」が体細胞分裂だけで子孫を残せるのかを調べるための研究)

相馬 雅代(そうま まさよ)
北海道大学 大学院理学研究院 生物科学部門 准教授
【動物行動学】 脳の左右性から考えるカエデチョウ科鳥類の側方型コミュニケーションの進化
(ヒトに左右の利き手があるように、鳥には「利き目」があります。利き目は、視覚コミュニケーションとどう関わっているのでしょうか?)

Helena Tellez Lozano (エレナ テリェス ロサノ)
九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 助教
【無機電気化学・分析化学】 固体セルを用いる水蒸気電解による高効率水素製造
(クリーンなエネルギーキャリアーの水素を効率よく製造する固体電解質セルの開発)

藤野 智子 (ふじのともこ)
東北大学 大学院理学研究科 化学専攻 助教
【生物有機化学】 非天然型連結部をもつ人工メッセンジャーRNAを活用した翻訳反応開発
(ペプチドやタンパク質の合成を指示する人工メッセンジャーRNAの開発)

敬称略、氏名五十音順

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。