資生堂の化粧療法ハカセのブログ
2025年問題
2025年問題という言葉をご存じでしょうか?
2025年は、「団塊の世代」800万人全員が75歳以上、つまり後期高齢者となる年でもあり、この年に後期高齢者の人口が2,180万人に達し、国民の約5人に1人が75歳以上という超高齢化社会を迎えます。
このように2025年に人口の年齢別比率が大きく変化することによって、雇用や医療、福祉など社会にもたらす諸問題を2025年問題といいます。
今年7月末に、厚生労働省は2023年分の平均寿命と平均余命が記載された「令和5年簡易生命表」を発表しました。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-15.pdf (PDF。外部サイトへのリンク)
2023年の平均寿命は、女性87.14歳、男性81.09歳となり、前年と比較して、女性は0.05年、男性は0.04年延びました。世界各国の平均寿命と比較すると、女性は1位、男性は5位です。日本は、長寿トップクラスであることは間違いないです。
この報告の中で、「主な年齢の平均余命」の結果も掲載されています。
意外に知られていないのですが、平均寿命とは、厳密に言うと、0歳の平均余命(あと何年生きられるか)のことを言います。なので、今の0歳児の平均余命は、前述した平均寿命の数字と同じ、女性87.14年、男性81.09年となります。
さて、今後増える75歳の平均余命を調べてみると、女性15.74年、男性12.13年となっています。平均して、女性は、約90歳、男性は約87歳まで生きられると言えます。0歳の平均余命よりも長いですね。
女性において、75歳からの約15年間、化粧はどう変化してくのでしょう。。。
おそらく、働いていると身だしなみを整えるために化粧をする機会があると思います。令和5年版高齢社会白書で高齢者の就業率を調べてみると、女性は、65-69歳41.3%、70-74歳26.1%、75-79歳7.3%と、75歳を超えると急激に働く女性の割合は小さくなります。ちなみに、男性の75-79歳の就業率は16.7%でした。化粧人口の減少が予想されます。
2025年問題における最大の課題といわれているのが、労働力人口の減少と言われています。75歳になっても働きたいと思っている人が、希望通り働ける社会になると労働力問題も少しは解消されるかと思います。同時に、化粧人口の減少の解決にもつながるかもしれません。
ただ、化粧人口問題は、仕事をしていなくても、誰かと趣味活動を楽しんだり、地域の活動に参加したりするなど、人と会う機会や社会とつながる場があれば、ある程度化粧人口は維持されると思っています。
以前、60代を対象にした化粧教室に参加した女性たちとお話をしていると、「働きに行こうかしら」「(仕事の)面接に行こうかしら」と言っていました。化粧には労働意欲を掻き立てる効果もあるようです。もしかして、意外にも2025年問題を化粧のちからで解決できるかもしれません。