資生堂の化粧療法ハカセのブログ
「フレイル」をご存知ですか?
フレイルとは、「虚弱」を意味します。
要介護と健康の間の状態で、適切な介入によって健康に戻ることができるステージです。
健康日本21(第2次)の中で、健康寿命の延伸に対する取り組みの一つとして、フレイル予防が記載されています。
要介護になると、なかなか健康な状態に戻ることが難しいですが、フレイルの状態であれば、まだ健康な状態に戻れる可能性があるのです。
フレイルは、身体的フレイルだけでなく、社会性/心のフレイル、オーラルフレイルなど多面性を持ち、それぞれが影響しあっているため、予防には、様々な職種からのアプローチが求められます。
それらのフレイルと化粧との関係について解説した私の論文が発行されました。
これまでの化粧療法研究で得られた知見や実際に地域で化粧療法をフレイル予防に活用している多職種の事例などを紹介しています。
雑誌名:フレグランスジャーナル 臨時創刊No.22 p13-17 2019年2月
出版元:フレグランスジャーナル社
タイトル:高齢者に対する化粧ケア
URL:https://www.fragrance-j.co.jp/book/b432043.html (外部サイトへのリンク)
冊子名:Healthcare note No.19-02 2019年3月
出版元:野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー株式会社
タイトル:粧うことからフレイル予防を考える ~フレイルの入り口を抑える化粧療法~
URL: https://www.nomuraholdings.com/nhs-a/services/publication/healthcare.html (外部サイトへのリンク)
表紙はこちら (PDF。外部サイトへのリンク)
是非、入手されてご覧いただければ幸いです。
フレイルは、「社会とのつながり」が低下することからはじまると言われています。
これまでの化粧療法研究でわかったことは、人は化粧をすると「出かけたくなる」、「人と会いたくなる」のです。
以前、横浜市で約200人を対象にした調査では、90%以上の人が「そう思う」と回答しました。
化粧は、「社会とのつながり」をサポートする役割があります。そう考えると、化粧も健康寿命の延伸のお手伝いができるのです。
化粧品のお店だけでなく、病院や介護施設、自治体などいろんなところで、「社会とのつながり」がなくならないように、介護予防サービスとして化粧療法が提供される社会を作っていきたいと思います。
医療・介護に関わるみなさん、自治体のみなさん、フレイル対策に化粧療法を。