1. Home
  2. スポーツ支援
  3. いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」
  4. vol.11

いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」

卓球選手 伊藤 美誠 × 女優 二階堂 ふみ

卓球選手 伊藤 美誠 × 女優 二階堂 ふみ

TBD

リオから帰りたくなかった

二階堂

昨年、リオオリンピックで見た時にすごい方が出てきたなあと思って。卓球は何歳からやってらっしゃるんですか?

伊藤

2歳の終わりごろからです。両親が卓球をやっていたので、その姿を目の前で見ていたら、「私もやりたい!」と思って。そこからはじめました。

二階堂

卓球は本当に愛されてるスポーツですよね。

伊藤

最近はテレビに出してもらえる機会が増えて、男子でも女子でもニュースでたくさん取り上げてもらえるようになったので、すごくうれしいなって思います。

二階堂

福原愛さんなんて、泣きながら練習していた小さいころからご結婚の時まで、その成長を国民すべてが見守っている感じがあって。

伊藤

そうですよね(笑)。卓球の人気はやっぱり福原さんのおかげでもあって、それを私たちの世代につないでくださった福原さんにとても感謝しています。そんな尊敬する先輩とオリンピックに出て、大きな舞台でいっしょに闘えたことが本当にうれしくて。幸せな時間でした。

二階堂

怖さはなかったですか?

伊藤

なかったですね。もう楽しすぎるくらいで(笑)。団体戦がはじまる前の1週間は、個人戦の試合を観てたんですけど、早く試合がしたくて仕方なかったです。

二階堂

ウズウズしてたんですね(笑)。あんな舞台に立ったら、普通はプレッシャーを感じると思うんですけど。

伊藤

初めてのオリンピックだったので、私も緊張するのかなと思っていたんです。でもいっさい緊張せず、しかも楽しくて、リオから帰りたくないと思いました。

二階堂

あはは。リオでメダルを獲って、おそらく一気に注目されることになったと思うんですね。いろいろなものが変わったんじゃないかなって。

伊藤

はい。試合ではほぼ年上の方と対戦するんですけど、みなさん向かってくるような気持ちで来られました。私自身も前はプレッシャーを感じないタイプだったのに、リオの後は少し感じるようになっていました。メダリストとしてしっかりしないといけないって思うようになって、自分らしいプレーが出せなくなった時期が続きました。

二階堂

気負いのようなものを感じながら、リオの後の1年を過ごしてきたんですね。

卓球選手 伊藤 美誠 × 女優 二階堂 ふみ

大切なライバルの存在

伊藤

でもそういう経験ができたことはよかったなと思います。ようやく最近になって、気持ちもフラットになりました。 二階堂 お話を聞いていて、私自身も少しだけ重なる部分があるんです。最初は全身で演技にぶつかっていってたのに、頭で考えすぎるようになったら、ちょっとやりにくくなってしまったことがあって。そこで「これじゃあダメだ」って気づけるかどうかが大事ですよね。

伊藤

私の場合、リオの後、アジア選手権で優勝した平野美宇ちゃんとか、同世代のがんばりを見て「私もがんばらなきゃ」って思ってたんです。でもがんばること以上に、自分らしさを出すことが一番かなって。同世代の活躍をきっかけに、自分らしさを取り戻そうと思えたのが大きかったです。

二階堂

卓球をすることはさらに楽しくなりましたか?

伊藤

はい、小さいころから卓球が大好きですが、今もすごく楽しいです。私はもともとあまり緊張しないタイプなんですが、試合で今の自分をどれだけ出せるか試せるのが楽しみだから緊張しないんだって、この1年で気づきました。

二階堂

へえー、すごいです。もちろん勝ち負けも重要ですけど、それ以上に観ている人が惹きつけられるのは、そこにある物語だと思うんですね。試合後の握手とか、対戦相手と談笑しているところとか、ああいう場面を見るとなにかドラマを感じて。

伊藤

卓球は相手がいないとできないスポーツなので、勝っても負けてもありがとうという気持ちで握手をします。私も最近は感謝の気持ちを持って握手できるようになれたかなって(笑)。前まで負けちゃった時は、握手したくない気分の時もあったんです。

二階堂

うん、負けず嫌いで。

伊藤

はい(笑)。

二階堂

じゃあ大人になったんですね。

伊藤

少し大人になりました(笑)。でもほんとに負けず嫌いなんですよ。

二階堂

卓球以外にもあるんですか? これは負けたくないみたいな。

伊藤

全部負けたくないです(笑)。特にスポーツは負けたくないですね。サッカーも小さいころからやっていたんですけど、男の子にも絶対に負けたくなくて、毎日ケガして帰ってきてたくらいでした。

二階堂

おてんばだったんですね(笑)。この人には負けたくないというライバルは誰ですか?

伊藤

5歳くらいの時から試合をしている平野美宇ちゃんは、よきライバルでもあり、よき仲間ですね。いっしょにオリンピックに出ようって言って、小さいころからずっとがんばってきたんです。でもリオの時は私が出て、リザーブメンバーとして誰よりも近くで支えてくれた美宇ちゃんに一番最初にメダルをかけました。だから「東京の時は私も絶対に出る」って美宇ちゃんが言うのを聞いて、私もがんばろうっていう気持ちに自然となれたんです。

二階堂

ライバルがいて成長できるんですね。

伊藤

もちろんです。ライバルがいなかったら、私もここまで来られてなかったです。よき仲間として5歳の時からいっしょにやってきたことが、今の成果になって表れてるのかなと思います。

人と会うのが好き

二階堂

息抜きはどうしてるんですか? 卓球以外に好きなものとか。

伊藤

最近はメイクにハマってます。きっかけは同じ関西を拠点にしているフィギュアスケートの本田真凛ちゃんで、いっしょに遊ぶことが多いんですけど、真凛ちゃんがメイクが大好きで、その影響でハマりました。ほかのスポーツの人たちと交流することは息抜きになります。

二階堂

人と会うのは好きですか?

伊藤

大好きです。海外遠征の部屋だといつもひとりで、ひとりの時間も好きなんですけど、日本に帰ってきたら友だちと会いたいっていう思いがいつもあって。

二階堂

競技は違っても、同じスポーツ選手の方と交流するのは得るものも多いんでしょうね。

伊藤

競技が違うのでライバルにはならないですけど、いっしょに遊べて、お互いの競技でがんばれて、すごくいい仲間ができたなって思ってます。

二階堂

いいですね。

東京で金メダルを

二階堂

今、一番大きなモチベーションになっているものは何ですか?

伊藤

東京オリンピックです。個人戦と団体戦で金メダルを獲るという夢があるんです。小学校6年生の時に東京オリンピックの開催が決まって、それがとってもうれしくって作文に夢を書きました。2020年は私が20歳になる年でもあって、ちょうどいいんですよね、時期が(笑)。

二階堂

絶好のタイミングだと(笑)。

伊藤

東京オリンピックで優勝するためには、まず1大会前のリオに出場しないといけないって、小6の時に初めて目標を立てたんです。最初は難しいかなと思ってたんですけど、しっかり口に出すことでモチベーションにつなげました。マイペースに練習を続けていたら、オリンピック代表候補に選ばれ、リオに行けることになって。

二階堂

小6の時っていったら12歳くらいですよね。そこで自分が20歳になるまでのことを設計して、ここまでその通りに進んできているのがすごいと思います。東京までのプロセスはどう考えているんですか?

伊藤

東京まであと3年ですが、卓球の代表は1年前に決まるので、実際はあと2年なんです。その2年のうちに、たくさんの国際大会に出て結果を出し、世界ランキングを上げることが重要です。まず世界選手権では来年の団体戦で優勝して、再来年の個人戦で優勝して、日本人の中で1位で代表に選ばれたいっていう目標を持ってます。

二階堂

おおー、すごい! こういった場で自分の目標を言うのは大変なことだと思うので、私はいつも小さめに言っちゃうんですけど(笑)。

伊藤

あはは。いろんな方に「けっこう大きな目標立てるね」って言われます。でもそれが自分自身の励みにもなるんです。リオの時、「メダルを獲ってきます」って言ったのも、自分にモチベーションを与えようと思ったからなんです。

二階堂

そうやって自分自身と闘ってるんですね。

伊藤

はい、口だけの自分には負けたくないので、これからも目標を達成できるようにやっていきたいと思います(笑)。

二階堂

応援してます!

伊藤

ありがとうございます。東京で金メダルを獲って、二階堂さんの首にかけてあげられるようにがんばります!

資生堂クロストーク「ONE ON ONE」