2025年01月31日
発行元:(株)資生堂
商品・ブランド
サステナビリティ
ブランド設立30周年、「パーフェクトカバー」が全リニューアル
あらゆる色・凹凸の肌悩みをシームレスにカバーし、自然な仕上がりを実現
資生堂は、あざや白斑、病気や治療による見た目の変化など肌に深いお悩みを持つ方を、「化粧のちから」で支援する社会活動「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」を展開しています。
その専用商品である「パーフェクトカバー」は、通常のファンデーションではカバーすることが難しい、あざ、白斑、やけど跡、傷跡、がん治療の副作用などによる肌の色変化に対応しており、ブランド設立30周年を迎える2025年、商品の全リニューアルを行います。海外では2月1日(土)より、日本では、全国の化粧品専門店やデパート、資生堂オンラインストア、提携している医療機関で2月21日(金)より順次発売予定です。
また、現在商品を展開している日本、中国、シンガポール、台湾の4つの国・地域に加え、今春にはフランスへの進出が決定しました。今後も「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」を広げ、誰もが自分らしい一歩を踏み出せる社会の実現を目指して支援していきます。
「パーフェクトカバー」 リニューアル概要
「パーフェクトカバー」は、1995年9月、医療機関との連携による「青あざ(太田母斑など)」「赤あざ(血管腫など)」「濃いシミ」を持つ方へのメイクアップ効果の研究を通じて、「しっかりカバーすること」と「自然な仕上がり」の両立を目的に開発されました。その後、技術の進化とともに、白斑や傷跡・やけど跡などの凹凸カバーにも対応できるラインナップへと拡充してきました。がん治療に伴う外見の変化※として、「脱毛(頭髪)」の次に、「肌の色変化(黒ずみ・茶色み<シミの増加を含む>など)」が挙がっており、これらの悩みのカバーにも対応しています。卓越したカバー力と化粧持ちのよさは、カバーニーズを持つお客さまから定評があります。
今回のリニューアルでは、当社のサステナブルな製品開発指針に基づき、ブランド全商品の商品機能を維持・向上させるとともに、グローバルの多様なスキントーンに対応できる色調配置へ強化しました。
※出典:がん治療に伴う外見変化に関する意識及び実態などについての調査(実施国:アメリカ、中国、ドイツ、フランス、日本、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、ベトナム)、対象者:がんサバイバー(20-50代)、有効回答者数:1,650人(女性1,100人、男性550人)、調査期間:2022年5~6月、2023年5~6月、調査方法:インターネット調査
<リニューアルポイント>
商品特長であるカバー力や化粧持ちの機能性を維持・向上させるとともに、全てのファンデーション・ルースパウダーを、グローバルの多様なスキントーンに対応できる色調配置へ変更。
● あらゆる色悩みのカバーに対応した「ファンデーション MC n ベーシックカラー」は、最大16色展開へ(取扱い色調数は国・地域で異なります)。SPF35・PA+++(従来品はSPF30・PA+++)。
● 多様なカバーニーズに対応するため、本来の肌の色とのコントラストの差が大きい濃い色悩みに対して、より自然な仕上がりを実現する調整色「ファンデーション MC n コントロールカラー」を2色新配置。
● 白斑のカバーに特化した「ファンデーション VC n」は、ディープスキントーンに対応した色調を追加し、2色展開へ(従来品は1色)。SPF25・PA++(従来品はSPF18・PA++)。
● 化粧持ち効果に優れた「ルースパウダー n」は、ディープスキントーンに対応した色調を追加し、2色展開へ(従来品は1色)。また、化粧持ちの機能を12時間データ取得済みへ(従来品は8時間)。
● 「クレンジングオイル n」は、高い洗浄力で落ちにくいパーフェクトカバーのファンデーションをよりすっきり落としやすく改良。
【商品概要等の詳細はリリースPDFをご覧ください】
資生堂 ライフクオリティー メイクアップ
資生堂は1872年の創業以来、長年蓄積してきた研究成果を活用し、年齢、疾病、障がいなどを問わず、あらゆる人が自分らしい一歩を踏み出すことを、「化粧のちから」を通じて支援しています。
「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」は、約70年の歴史をもつ資生堂を代表する社会活動で、1956年に戦禍によるやけど跡で苦しむ方へ日本で初めてのカバーメイクアップ商品「資生堂 スポッツカバー」の発売に始まり、専用商品「パーフェクトカバー」の開発、そしてがん治療の副作用による外見の変化に対応した研究、美容情報の開発・発信を通じて、QOL(生活の質)向上のための社会的支援を行っています。
また、活動の拠点となる専門施設「資生堂 ライフクオリティー ビューティーセンター」は、プライバシーが保たれた空間で、お一人おひとりの美容ニーズに合わせたコンサルテーションを対面とオンラインで実施しています。
医療現場から見た「化粧のちから」
化粧は「オン(ON)」の時間を、自分らしく過ごす一助に
金髙 弘恭
東北大学大学院歯学研究科 教授
歯学イノベーションリエゾンセンター異分野共創部門 部門長
東北大学大学院医工学研究科 治療医工学講座 先進歯科医工学分野
東北大学病院 顎口腔機能治療部
約20年前から、専門とする歯科口腔領域における口唇口蓋裂の患者の治療過程で、アピアランスケアがQOL(生活の質)に及ぼす影響を、資生堂の美容技術者の方の協力のもとに研究してきました。現在は形成外科や臨床心理学の先生方とも協力して、アピアランスケアに対する患者の心理的効果を検証しています。
アピアランスケアは、口唇口蓋裂や血管腫、白斑、やけど、手術瘢痕などのある患者にとって、心理的な支えとなる重要な要素です。患者の多くは外見をカバーしたいというニーズを持っていますが、同時に現状を受け入れる心理的なケアも必要です。メイクアップをすることも、自然体でいることも患者自身が決めることですが、オン(ON)とオフ(OFF)の選択肢があることは患者に自信と安心感を与えます。
研究では、メイクアップ施術前後の自己肯定感を評価し、施術後に肯定感が高まることが確認されています。思春期の患者は、学校や日常生活の中で複雑な心境を抱えることも多いですが、アピアランスケアにより外見に対する不安が軽減されることは心理的指標で示されています。また、患者にとって施術中の美容技術者との対話は、医師や看護師、家族にも話しにくい悩みを相談できる貴重な場となっており、メイクアップは心を解放するコミュニケーションツールでもあると認識しています。
自分らしく過ごす選択肢の一つとして、メイクアップは心理的に大きな支えとなる可能性を秘めていると感じています。
医療現場から見た「化粧のちから」
がんとの共生、アピアランスケアが生きる希望に
北野 敦子
聖路加国際病院 腫瘍内科 副医長
抗がん剤治療を専門とし、主に乳がん患者のサバイバーシップケア※に取り組んでいます。外見の変化によるQOL (生活の質)の低下に悩む方が多く、アピアランスケアの重要性を感じています。「脱毛(頭髪・眉毛など)」の他、「シミ」「顔色(血色感がない)」などの肌の色変化に対する悩みも非常に多いです。私は医療現場で、アピアランスケアを経験した方が再びメイクに挑戦し、笑顔になり、自信を取り戻す姿を多数見てきました。特に再発がんの患者は、治療が続く中で気落ちも大きく、外見ケアまで気が回らずに諦めがちですが、アピアランスケアを紹介することで気持ちの変化が芽生え、それが生きる希望につながることを実感しました。アピアランスケアは術後の患者が社会復帰していくための支援としてだけでなく、再発がんの患者にとっては残りの人生の質を高め、自分らしく豊かに生きることにも貢献できる意義を感じています。
当院では10数年前より、「ビューティーリング」という独自の外見ケアプログラムを提供しています。2023年から国のがん対策推進基本計画にアピアランスケアが明文化されたことは、医療現場での支援の広がりに寄与しています。医療現場だけでなく、企業との連携(美容技術者)や社会全体で役割を担うことが大切です。相談方法では、オンラインや対面、グループや個別などの選択肢があることが患者にとって利用しやすい環境につながります。
資生堂との乳がん患者に対する共同研究では、オンライン外見ケアアドバイスが肌やメイクの主観的満足度を上げるとともに皮ふ状態の改善やネガティブ感情の軽減、自己効力感の向上をもたらすことが確認されています。
これからもお一人おひとりの患者の悩みに寄り添い、適切なケアを提供し、がん患者の皆さんのQOL向上に貢献したいと考えています。
※サバイバーシップケア:がんの診断を受けた人々(がんサバイバー)が抱える身体的・心理的・社会的な課題に、寄り添って解決していくという概念
※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。