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2018年09月12日

発行元:(株)資生堂

研究・サプライネットワーク

資生堂、首のしわの改善効果を新発見、8週間で実現

~レチノールの新効果 真皮に届きコラーゲン・ヒアルロン酸など産生促進~

資生堂はレチノールの効果を新たに3点(①首のしわの改善効果、②8週間での改善効果、③真皮への作用)見出しました。
資生堂は昨年、有効成分レチノールによるしわ改善効能効果に対し厚生労働省から承認を取得しました。その後さらなる有効性を追求し、この度首のしわと年齢には相関があることを実証するとともに首のしわを改善する作用がレチノールにあることを発見しました。今後も、しわを改善できる有効成分として認められたレチノールを配合した製品(医薬部外品)を製造販売できる日本唯一のメーカーとして、いきいきと豊かな表情を手に入れていただくための研究を進め製品へと応用していきます。

首のしわは年齢をあらわす

調査によると、7割近くの人が「首のしわは他の人から見て老けて見える」と回答。首もとは年齢が現れるパーツとして認識されています。※1
一方、首のしわに対し評価基準を定め(※2)年齢との相関をみたところ、首のしわの程度は年齢とともに増大することが示され(図1)、「首をみれば年齢が分かる」ということは科学的にも実証されました。

※1 50~69歳女性600名 2017年5月 資生堂調べ。1位口もと(79.7%)、2位首もと(68.7%)、3位目もと(45.3%)。
※2 40歳から69歳までを対象(平均54歳)とした152名に対し独自評価基準を策定。詳細は以下参照。

【首のしわと年齢、科学的証明】
これまで首のしわの程度を判定する客観的な評価基準は存在しませんでした。※3
そこで資生堂は日本人女性(152名、40歳~69歳、平均54歳)の首を詳細に観察して、首のしわの程度を独自にグレード標準として策定しました。152例について策定した首のシワグレード標準に照らし合わせてスコア化し、年齢との相関をみた結果をグラフ化したものが図1です。

※3 「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」(日本香粧品学会)では目尻を対象部位としてシワグレード標準が策定されている

図1 首のシワグレードと年齢(年代)との相関 (152名)

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8週間で認められる首のしわ改善

資生堂は日本人女性(84名、41歳~69歳 平均56歳)を対象として、レチノールによる首のしわに対する有効性試験を行いました。「レチノールを配合したクリーム基剤を使用した被験者の群(レチノール配合品群)」と「レチノールを配合しないクリーム基剤を使用した被験者の群(レチノール無配合品群)」に分け、1日2回(朝晩)の頻度で首にクリーム基剤を12週間塗布しました。さらにこの12週間の連用後、使用を止めて2週間後(試験開始から14週後)にも評価しました。
首のしわを直接目視して判定した結果(図2)、レチノール無配合品群では、首のしわの程度に変化は見られませんでした。一方、レチノール配合品群では塗布した期間とともに首のしわが減少し、8週後に有意な減少を認め、12週後にはさらに首のしわが減少しました。また2週間連用を止めた後も、レチノール配合品群はしわを減少させたままでした。これはレチノールに効果の持続性があり、しわがすぐ戻らないような状態に変化させている可能性を示唆しています。

また首のしわをレプリカ解析による機器で評価した結果(図3)、レチノール無配合品群に変化は見られませんでした。一方レチノール配合品群は、8週後、12週後で首のシワ面積率を有意に減少させました。
以上のことから「首のしわの程度を直接目視して判定した視感判定」と「レプリカ解析による機器での評価」の両方において、レチノール配合品は有意に首のしわを減少させたことから、レチノールに首のしわを改善する有効性が認められました。

レチノール配合クリーム基剤を使用する前には首の中央部に深く目立つしわが存在していましたが、8週後にはしわは薄くなり、また首全体の肌表面のざらつき感も改善されました(図4)。

図2 首のしわの直接目視判定結果 (84名)

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図3 首のしわのレプリカによる機器評価結果 (84名)

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図4 首のしわが顕著に改善した例

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目尻のしわでの有効性確認

先の首のしわへの連用と併せて、同時に目尻のしわに対しても同じクリーム基剤(レチノール配合品またはレチノール無配合品)により首と同様の期間、手法で試験を行ったところ、レチノールは8週間の連用で目尻のしわを改善することが示されました(図5、6)。

図5 目尻のしわの直接目視判定結果 (84名)

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図6 目尻のしわのレプリカによる機器評価結果 (84名)

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真皮への作用

レチノールの真皮への作用を調べるために、細胞レベルおよびヒトの皮膚で解析しました。細胞レベルでは、培養したヒトの線維芽細胞にレチノールを添加すると、Ⅰ型コラーゲンの産生を顕著に促進しました(図7)。さらにヒトの皮膚では超音波によって皮膚断層画像を測定し、真皮を構成する成分※4を解析しました(図8)。その結果、レチノールを配合したクリーム基剤を連用すると4週後から真皮を構成する成分の密度が高まることを認め、レチノールは真皮構造の再構築に寄与ししわを改善している可能性が示唆されました。

※4 真皮を構成する成分:コラーゲンやヒアルロン酸などに代表される成分であり、真皮の細胞が分泌して真皮の構造を維持する成分。(画像中の黒以外の箇所)

図7 レチノールのⅠ型コラーゲン産生促進作用

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図8 レチノールによる真皮成分の再構築を促進する効果

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※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。