2018年06月07日
発行元:(株)資生堂
研究・サプライネットワーク
資生堂、紫外線による肌の酸化ダメージのサンスクリーンでの防止効果を可視化
資生堂は東北工業大学との共同研究により、超高感度冷却CCD(Charge Coupled Device)カメラによる測定技術を応用することで、肌を傷つけることなく直接、紫外線による肌の酸化ダメージ※のサンスクリーンでの防止効果を可視化することに成功しました。これにより、サンスクリーンの効果を視覚的に示すことができるようになりました。今後、本技術をサンスクリーンをはじめとするスキンケア製品開発へ広く応用する予定です。
※肌が酸化ダメージを受けると、肌本来が持つうるおい、透明感、ハリなどを保つ機能が低下します。
肌から発生する微弱発光(バイオフォトン)
生物は、バイオフォトンと呼ばれる目には見えない極微弱な光を発しています。この極微弱な光は酸化ダメージによって増加することが知られていますが、非常に弱い光のため可視化することは困難でした。
紫外線による肌の酸化ダメージの可視化
人の肌もバイオフォトンを発しており、紫外線を浴びると肌の酸化ダメージが進み、肌からバイオフォトンが多く発するといわれています(図1)。従来、肌の酸化ダメージの評価は肌から採取した角層サンプルや培養細胞を用いて行ってきましたが、超高感度冷却CCDカメラによる測定技術を応用することで、バイオフォトンを撮影でき、肌の酸化ダメージを高精度で可視化しました(図2)。
サンスクリーンの紫外線による酸化ダメージ防止効果の可視化
超高感度冷却CCDカメラによる測定技術を応用し、サンスクリーンを使用した部分と使用していない部分に紫外線を照射し、肌の酸化ダメージを比較しました。その結果、サンスクリーンを使用した部分では、明らかに紫外線による肌の酸化ダメージを防止できることを今回初めて可視化しました(図2)。
このようにサンスクリーンの効果を視覚的に示すことができるようになったことで、サンスクリーンを使用することの重要性、塗り直すことの必要性などをお客さまにわかりやすくお伝えできるようになりました。そして紫外線から多くのお客さまの肌を守ることを目指し、本技術はサンスクリーンをはじめとするスキンケア製品開発へ広く応用する予定です。
本研究成果は2018年5月に米国オーランド(フロリダ州)で開催された国際研究皮膚科学会International Investigative Dermatology 2018にて発表しました。
※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。