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2017年09月19日

発行元:(株)資生堂

研究・サプライネットワーク

肌を切らずに毛細血管を可視化することに成功

― シミの奥に潜む異常な毛細血管ネットワークを発見 ―

資生堂は、光を用いた最新の画像化技術を独自に応用し、肌を傷つけることなく、肉眼では見ることができない肌内部の微細な毛細血管の可視化に成功しました。さらに、長期の紫外線ダメージで発生するシミ(日光性色素斑)では、真皮上層に異常に発達した毛細血管のネットワークが存在することを、今回開発した可視化技術を用いて発見しました。

新規な血管可視化技術の確立

皮膚の血管は、皮下組織から真皮上層へと続く複雑なネットワーク構造をしています。従来の方法では、皮膚全体の血流量の評価はできるものの血管構造を可視化することができませんでした。そこで、近赤外光を使って肌内部構造を可視化できる光干渉断層撮影技術(OCT:Optical Coherence Tomography)を応用し、肌内部の血管構造を深さ別に高解像度で画像化できる技術の開発を進めてきました。
OCTを用いて顔の肌内部を画像化すると、真皮の構造が観察されます(図1(a))。高速で同じ部位のOCT画像を複数枚取得し詳細に解析すると、OCT画像の中で血流の動きに合わせ光強度の揺らぐ箇所があることがわかりました。今回、独自に開発したアルゴリズムを使い、この光の揺らぎのある箇所を特異的に抽出することにより、肌の中の毛細血管構造を可視化することに成功しました (図1(b))。

図1.OCT画像を処理することにより得られる毛細血管像

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開発技術の応用: シミと毛細血管ネットワークの関連性

シミ(日光性色素斑)をターゲットに本技術を用いて評価した結果、シミのある部位はシミのない部位と比較し、毛細血管のネットワークが異常に発達していることを見出しました(図2)。

図2 シミ部位に異常発達した毛細血管ネットワーク(赤枠)

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今回発見したシミ部位の異常な毛細血管ネットワークがシミに大きな影響を及ぼしていると考えられることから、資生堂では本研究成果をもとにスキンケアの価値創出に向けた新たな研究を進めていきます。

本研究成果の一部は2017年12月開催の研究皮膚科学会第42回年次学術大会、および2018年1月に開催される国際医用光学会議SPIE Photonics West BiOS 2018(米国・サンフランシスコ)にて発表します。

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。