資生堂デザインの基調として採用された流麗で優美な曲線を描くアール・ヌーボーの代表的なポスターです。
アール・ヌーボーにアール・デコも加わり、“資生堂調”と呼ばれるモダンで洗練されたデザインが完成していきました。
資生堂は常に西洋を意識していました。店頭に飾られたこれらのポスターは、資生堂のイメージを全国に定着させる役割を果たしていました。
雪降る夜にコートを羽織った女性の趣きある作品です。これらのポスターは毎月配布され、季節感が織り込まれていました。
19世紀末を彩った美しい曲線が特長的なアール・ヌーボースタイルの西洋風女性と和服姿の女性が同居した珍しいポスターです。お互いの美しさを競い合っているのでしょうか。
資生堂の唐草文様を完成させたデザイナー前田 貢によるポスター。アール・デコの典型的なデザインです。当時の常識を破った縦横のバランスが斬新な前衛的な一作です。
口紅と頬紅の色彩を際立たせるためにモノトーンに抑えた画面が斬新なポスターです。黒地に白の線描と女性の仕草が、シックでモダンな美しさを表現しています。
資生堂のイラストレーションによる女性像は、山名文夫によって確立されていきます。山名は一貫してイラストレーションによる女性美を追求していきました。
昭和初期、チェインストアにウインドーが完備されはじめたころの作品。当時のデザイナーたちは、時代に先駆けた美しい女性像を描いて、資生堂のイメージアップに貢献していました。
山名にしては珍しい彩色された作品です。凛とした女性の横顔と淡い色彩が美しく、絡みあう3色が唐草にも感じられる斬新なデザインです。
山名文夫は、資生堂デザインの象徴ともいえる唐草文様と女性像を繊細な線描画で一体化していきます。そして、スマートで軽やかな女性像が生み出されていきました。
資生堂初のキャンペーン「キャンディトーン」のポスター。当時は、流行色に食べ物の名前をつけることが流行っていました。このキャンペーンにより、資生堂のメーキャップ化粧品も徐々に充実していきました。
小麦色の肌と揺るぎのない力強いまなざし、大胆なポーズは、当時大変なインパクトで、店頭からポスターが持ち去られるという社会事件にもなりました。
当時としては珍しい動物を準主役に起用した広告。 商品名のMG5は「モダン・ジェントルマン」を意図して名づけられました。本格的な男性用化粧品として、いまも愛用されています。
小椋桂さんの『揺れるまなざし』が大ヒットし、CMにおけるイメージソングのさきがけとなった作品。陰影のある女性の美しさや複雑に揺れ動く女心を、当時15歳だった真行寺君枝さんがモデルとなって表現した名作。
極限にまで目もとにクローズアップすることでイマジネーションがかきたてられる仕上がりになっています。黒髪のおかっぱ頭と切れ長の目、そして幻想的なまなざしに東洋の美、日本の美が感じ取れます。
山名文夫、最晩年の作品。終生、唐草文様を追求し続け、たどりついた唐草と女性美が融合された究極のイラストレーションです。洗練された優雅で気品あふれる永遠の女性美が表現されています。
初めての水あり水なしの両用サマーファンデーションで、当時話題に。CMソングが人気となり、その相乗効果もあって小野みゆきさんがモデルとなったこのポスターも有名になりました。
タイトルは「ミズ・ニッポン」と発音し、未婚、既婚問わずすべての女性に用いる敬称として考え出されました。魅力に溢れ、エネルギッシュな団塊の世代の女性たちを応援したい、という意味が込められていました。
商品をバックライトで浮かび上がらせて透明感を演出し、コラージュ的に配置したデザインワークが美しい。静から滲み出る男性の存在感や内面が感じられるような渋みのあるポスターです。
大きな口をあけて快活に笑う女性像は、この今井美樹さんのポスターが初めてだったかも知れません。はつらつとした活気あふれる女性の姿が表現されています。
日本古来の「色白」という美の概念を感じさせるポスターです。透き通るような白い肌と黒髪のコントラストが対照的で、中空に向けられた涼やかな目もとが印象的です。
42年前の前田美波里さんのポスターを髣髴とさせるインパクトが感じられます。いつもと違うワイルドな雰囲気の蛯原さんと、どこまでも碧い海と空が印象的なポスターです。