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収蔵品のご紹介

商品

  • 資生堂 オイデルミン

    資生堂 オイデルミン
    1897年(明治30年)

    日本初の洋風調剤薬局として資生堂を創業した福原有信が、初めてつくった化粧品。当時最先端の西洋薬学技術で処方されており、ギリシャ語で「良い肌」を意味する商品名も斬新であった。赤ワインを思わせる化粧水の色味から、「資生堂の赤い水」と親しまれた。華奢なガラス瓶に、大きな球の栓を持つボトルデザインは、最初にして最高の出来映えと称される。

  • 資生堂 フローリン

    資生堂 フローリン
    1915年(大正4年)

    資生堂の経営を福原有信より引き継いだ信三が、欧米留学の知識と経験を生かして開発した化粧品。楕円筒型の瓶や、椿の花をあしらいローマ字で文章を刷り込んだレーベルは、西洋感覚にあふれていた。明治時代後半から流行し始めた洋風の束髪の一種「ひさし髪」が大正時代には全国の女性に広がり、時節を得た発売であった。頭髪香水兼香油としての品質の良さはのちに4つの専売特許を得たことからもうかがえる。

  • 香水 花椿

    香水 花椿
    1917年(大正6年)

    もともと花には香りがない椿の香りをイメージで創作したもので、資生堂初の香水として誕生した。花椿のもつ重みと、甘い香りが調和した東洋趣味を好む人に最適な香り。ボトルデザインは、大正当時の西欧のモダニズムに日本的感覚を盛り込んだ重厚な意匠で、ガラス栓の上部には花のレリーフが施されている。資生堂フレグランスの原点ともいえる香水。

  • 着色福原粉白粉七種(七色粉白粉)

    着色福原粉白粉七種(七色粉白粉)
    1917年(大正6年)

    白色の白粉が主流だった当時、白色、ばら色、牡丹色、肉黄色、黄色、緑色、紫色と7色揃え、顔色や着物の色に応じて色合わせができた日本初の多色白粉。粉白粉の容器といえば円形か正方形が一般的であったところを、正方形の四隅を切り落とした斬新な八角形を用い、「花椿マーク」の外枠としてデザインされている。天面にはゆるやかな膨らみをもたせてある。完成度の高いデザインであり、中味の斬新さとともに評判を呼んだ商品である。

  • 資生堂 コールドクリーム

    資生堂 コールドクリーム
    1918年(大正7年)

    資生堂が発売した商品のなかでも、特に福原信三が品質に自信をもっていたのが、1918年発売のコールドクリームである。容器は胴をふくらませた白い玉瓶で、すり合わせの蓋を薄い膜で包み、金糸で結んである。レーベルは金色で印刷し、文字とデザインを浮き出させている。前田貢のデザインよる赤い外箱は1928年に追加され、以後「赤箱クリーム」と親しまれた。

  • 香水 菊

    香水 菊
    1920年頃(大正9年頃)

    天然菊をモデルに調香した、純日本調の香水。瓶口から肩になだらかに流れてきたラインを底面で鋭く切った、シンプルな瓶形状である。擦り合わせ共栓のつまみは球形で内側を中空にしている。ボトルに描かれている菊の花は直焼き付けがされている。外箱は表面に金箔をおき、その上に麻を貼り布目から金が透けて見えるように工夫がしてある。

  • ドルックス

    ドルックス
    1932年(昭和7年)

    戦前の最高峰ブランド化粧品。容器の材質も吟味され、瓶に玉ガラスが採用されている。前田貢によるパッケージデザインは、伝統的な唐草模様をモダンに洗練させた逸品である。意匠部の創設以来、西欧のデザインを基礎にさまざまな試行錯誤を繰り返しながら追求してきた資生堂の唐草文様の、ひとつの到着点と言える。

  • 資生堂 モダンカラー粉白粉

    資生堂 モダンカラー粉白粉
    1932年(昭和7年)

    最先端のファッションに身を包み、銀座の町を歩くモダンガール。柔らかにウェーブをかけた髪、花びらのような唇、ほっそりとした顎に、卵形の顔立ち。山名文夫は、そんな新時代の女性像を次々と生み出していったが、「モダンカラー粉白粉」のようにパッケージに女性を描いたものは珍しい。アール・ヌーボーとアール・デコが見事に調和した、戦前の資生堂デザインを代表する一品。

  • 資生堂 潤性歯磨

    資生堂 潤性歯磨
    1947年(昭和22年)

    戦時中、物資が乏しくなるにつれて紙やブリキ、陶器などが容器として用いられるようになっていったが、戦後もしばらく物資不足は続いた。これもそのころにつくられた商品のひとつ。レリーフ状に施された花椿のモチーフと「SHISEIDO」のロゴが、ライトブルーの釉薬の濃淡だけで表現されている。シンプルだが、清涼感あふれる上品なデザインである。

  • ドルックス

    ドルックス
    1951年(昭和26年)

    経済が復興し始めた1951(昭和26)年、資生堂を代表する高級ブランド「ドルックス」が復活する。戦前に前田貢が完成させた「カリグラフ」に山名文夫が挑み、フランス・ロココ調の唐草文様をベースに、よりデコラティブなまったく新しい唐草を生み出した。デザインは新しくなったものの、優雅で上品なたたずまいは継承されている。

  • 香水 ホワイトローズナチュラル

    香水 ホワイトローズナチュラル
    1954年(昭和29年)

    バラの香水は通常ピンクの花を原料とするが、天然の白バラ、ブルガリアンローズのエッセンスでつくられた最高級の香水。戦前の1936年に発売された香水を再現した。大卒初任給が10,000円に満たない時代に18,000円という価格にふさわしく、ボトルは美しく咲くバラの花のイメージをクリスタルガラスの多面カットで表現した、繊細な手づくりのものである。外箱は、朝もやのなかに花開く白バラを幻想的に表現している。

  • 資生堂 クリームパクト

    資生堂 クリームパクト
    1960年(昭和35年)

    しっとりと肌にのり、自然な美しさをつくる、コンパクト型の油性白粉。携帯に便利で、化粧直しが手軽にでき、すばやい化粧にむいていた。白地の容器に、金色で流麗な資生堂調の唐草文様を刻んだ、高級感のあるパッケージデザインである。

  • プリオール

    プリオール
    1961年(昭和36年)

    昭和30年代後半の高度成長期に、「ドルックス」に替わる高級スキンケア・ヘアケアブランドとして開発された。白とベージュを基調にしたパッケージは、装飾性をできるだけ抑え、ややストイックな印象を与える。ドルックスの重厚で華美な品格に対する、新しいイメージの表現に力を注いだデザインである。特長的な唐草文様は山名文夫によるもの。

  • 香水 禅

    香水 禅
    1964年(昭和39年)

    東京オリンピックを機に、欧米では日本趣味が再流行。資生堂も海外マーケット向けの化粧品開発に取り組み、日本の文化を象徴するものとして知られる「禅」を香りに表現した香水を発売した。黒漆塗りの落ち着いたイメージのボトルに、高台寺蒔絵を基にした秋の野や庭に咲く草花を金泥で描き、東洋の幽玄を表現している。

  • MG5

    MG5
    1967年(昭和42年)

    大きなボトルに小さなキャップという男性化粧品の通念を覆し、キャップとボトルを同じ径の円筒形にした、斬新で使いやすい形。デザインは当時の若者感覚にあわせ、チェッカーフラッグのような黒と銀のモノトーンのダイヤ文様で、鮮やかさとスピード感を表現した。商品名のMは「モダン」、Gは「ジェントルマン」の頭文字、5は「5つの特徴をもつ」ことを表現している。

  • インウイ

    インウイ
    1977年(昭和52年)

    「彼女が美しいのではない。彼女の生き方が美しいのだ。」という鮮烈なメッセージとともに登場。アメリカのデザイン会社と共同で、従来にないデザインを試みた。洗練された国際的センスを持った女性のための、機能性、使用性にこだわったメーキャップ化粧品。薄くてスリムな容器は、キャリア・ウーマンにふさわしいものだった。

  • タクティクス

    タクティクス
    1978年(昭和53年)

    フレグランスを男性のライフスタイルの中に定着させようと企画されたブランド。イギリスのデザイン会社と共同制作し、従来の「資生堂らしさ」とはひと味違う斬新なイメージを打ち出した。玉瓶と呼ばれる中国の白磁を思わせるユニークなスクエアボトルは清潔な存在感を与え、「T」の字が描かれたグラフィックデザインが知的な男性のイメージと重なる。

  • ナツコ

    ナツコ
    1979年(昭和54年)

    水あり、水なし両用パクトの先駆けとなった商品。水を使わずに「手ばやく美しく仕上げられる」ため、多くの女性たちの支持を得て爆発的なヒットとなった。パッケージデザインは、都会的な夏をイメージ。透明感のある赤のリングと真っ白な本体を二段重ねにした四角形を基本としたフォルム。単純なかたちを繰り返して使うことによる新しさを狙った。

  • ノンブル ノワール

    ノンブル ノワール
    1982年(昭和57年)

    セルジュ・ルタンスをイメージクリエーターに起用し、開発されたフレグランス。「黒は、すべての色を集約した最高の色」というルタンスの想いから、黒一色で統一。キャップ、ボトルともに黒色ガラスを用い、サンドブラストで文字を彫り込み、光沢とつや消しの対比をつくることにより、「黒」の魅力を極限まで引き出した。

  • アンジェリーク

    アンジェリーク
    1991年(平成3年)

    「自由・おおらかさ」をテーマに、フランス人パフューマー、ジャン・ルイ・シュザックが調香したフロリエンタルの香り。ビジュアルシンボルにアンディ・ウォーホルが描いた天使を使用。ボトルは金色をキーカラーに、地上から天空へとらせんを描きながら昇っていくモスクをイメージしている。

  • オイデルミン グローバル

    オイデルミン グローバル
    1997年(平成9年)

    化粧品事業100年を記念し、資生堂化粧品の原点である「オイデルミン」を新しく生まれ変わらせた。資生堂の美的哲学を21世紀に向けてシンボリックに表現したデザイン。オイデルミンを印象づける深い赤、極限まで余分なものを削ぎ落とし、すらりと背の高いシンプルでシャープなデザインは建築的ですらある。レーベルのロゴタイプは、鏡面のように文字を左右に反転させ記号化している。

  • アンタイド

    アンタイド
    1997年(平成9年)

    イタリア人クリエーター、セルジオ・カトロー二とのコラボレーションにより制作された男性用スキンケアブランド。多面切削された、建築的なボトルの形状が印象的である。見る角度によってシルエットが無限に変化し、ふたつとして同じかたちが現れない。見た目だけではなく、てのひらになじむ持ちやすさも特徴。

  • ヴォカリーズ

    ヴォカリーズ
    1997年(平成9年)

    心のなかに抱えている多くの矛盾を素直に外に向けて表現すること=「矛盾礼賛」をキーワードに開発されたフレグランス。正面からのシルエットはシンプルな円形ながらその稜線は大きくゆらいでおり、見る角度を変えると「繊細さ」と「強さ」という矛盾する2つの要素が強いコントラストをもって現れる。フランス人パフューマー、ジャック・キャバリエが調香した。

  • キオラ

    キオラ
    1998年(平成10年)

    「香り」が心と肌に及ぼす作用に着目し、開発された化粧品。たおやかにゆらぐフォルムは、植物などの自然物のたたずまいに通じている。マットなブルーカラーも、落ち着きを与える。香りとともに、パッケージまでもが心や肌に影響を及ぼすことを求めたデザインである。

  • マキアージュ

    マキアージュ
    2005年(平成17年)

    ベースメークとポイントメークの枠を超える、トータルメーキャップブランド。日常生活に美と機能の両立を図ったアール・デコの精神にならい、デザインすべてにおいて、機能性とエレガンスの融合を図った。とりわけ「鏡の函」をテーマにしたアイカラーケースは、無駄のないフォルムや大きな鏡、開閉の音に至る細部にまで配慮したデザインとなっている。

  • フューチャーソリューション

    フューチャーソリューションLX
    2009年(平成21年)

    世界に向けて発売される最上級のスキンケアブランド。ニュアンスのある黒と神秘的な輝きを持つゴールドのカラーリングと、デリケートな曲線で構成されたフォルムがモダンな印象を与え、キャップのセンターに刻印された花椿マークがプレミアムラインにふさわしい象徴性を際立たせている。ネーミングには、女性の未来の美しさを約束するという思いが込められている。

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