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「アクティブビューティー」を体感する場、「S/PARK Studio」

外見や表面的なアプローチだけではなく、心や身体の内側、さらには動作・所作まで美しくなる事を目的とした、資生堂の「アクティブビューティー」。
その「アクティブビューティー」を実際に体感できる場である「S/PARK Studio」について、資生堂の主任研究員で、S/PARK Studioマネージャーでもある白土真紀さん(以下、白土)に話を伺いました。

白土真紀 プロフィール

資生堂 みらい開発研究所 主任研究員
S/PARK Studio マネージャー兼務
博士(健康科学)、日本体力医学会認定健康科学アドバイザー

運動や栄養、リラクゼーションなど、健康科学をもとにした美容ソフトの研究開発や、化粧行為による五感刺激が心身に及ぼす影響など、美容と生活習慣に関する研究が専門

研究所の知⾒に基づくスポーツプログラム

『S/PARK Studio』とはどのような場所なのか教えてください。

白土)資生堂の研究所である『S/PARK』ならではの特長が詰め込まれた、エクササイズとランニングのスタジオです。テーマとして掲げている「アクティブビューティー」を体感・実現できる場として、独自のメソッドに基づいた「エクササイズプログラム」の提供、資生堂の研究員が直接お客さまに行うセミナーやスクールの開催、資生堂の実業団陸上チーム『資生堂ランニングクラブ』のOGが監修する「ランニングプログラム」の実施、などを行っています。また、ランニングウェアやシューズ・タオルの貸し出しや、各種アメニティを取り揃えたロッカールーム・シャワー・パウダールームを備えたランニングステーションとしての機能も持っています。

S/PARK Studioと、普通のスポーツクラブにはどのような違いがありますか?

白土)研究や科学的知見に基づいたプログラムの提供を心掛けている事です。また、「美しさ」に焦点を当てているという点でも、違いがあると思います。スキンケアや化粧品などによる外見(外側)からのアプローチだけではなく、身体の内側からも美しくなるために有効な「運動」や、「身体の動き」などに注目した研究知見を活かした独自プログラムを提供しています。

なぜ「運動」や「身体の動き」に着目するようになったのですか?

白土)実は、資生堂には昔からスキンケアやメイクアップのみならず、内面美容まで含めて幅広く提案する「トータルビューティー」という考え方がありました。戦後の1950年、他に先がけて独自の美容体操を発表し、当時の美容体操ブームのきっかけになったという歴史があります。先人がこだわった「トータルビューティー」を受け継ぎながら、今だからこそできる事に取り組みたい、と考えました。

「アクティブビューティー」を実現するプログラム

S/PARK Studioのテーマとなっている『アクティブビューティー』について教えてください。

白土)『アクティブビューティー』とは、表面的な美しさだけではなく、心や身体、身のこなしまでを含めてきれいになる、という概念的なものです。写真を撮る時の「静的な美しさ」と、対面でコミュニケーションする時や、歩いている時などの「動的な美しさ」は別物であり、そうした身体の動作や所作まで含めた美しさが、『アクティブビューティー』ではないかと仮説を立て、特に“歩行”に着目しました。
その結果、美しく歩いている人は心が前向きで、心身のバランスも良い事、さらに美しく歩けるトレーニングをすると、心も身体も良くなる事がわかりました。 これらの検証結果に基づいて、心と身体、そして所作までが美しい事を『アクティブビューティー』と定義し、さらに、このアクティブビューティーを実現するための『モーションビューティーメソッド』や、「温活」や「腸活」など自律神経の調整をテーマに行う『インナービューティーメソッド』などのプログラムを開発していきました。

美しい歩き方を実現する『モーションビューティーメソッド』

アクティブビューティーを体現する『モーションビューティーメソッド』について詳しく話を聞いていきたいと思います。着眼した「美しく歩く」事のポイントは何でしょうか?

白土)歩行の美しさの定義として、「このような歩き方が美しい」と、1つの型を押し付けるのではなく、TPOに合った美しさがあると考えています。例えば、タイトスカートでヒールを履いて歩いている時の美しさと、スキニーパンツでスニーカーを履いている時の美しさは異なります。そこで、「健康的で美しい歩き方」=「力学的に理にかなった効率の良い歩き方」という事を基本にしています。

美しい歩き方を作る『モーションビューティーメソッド』は、スポーツにも活かせそうですね。

白土)はい。『モーションビューティーメソッド』は、普段の動きや姿勢の癖をリセットして、思い通りに動かせるニュートラルな身体を作る事に重点を置いています。例えば、悪い癖のまま「大股で歩いて」、と言われてもどこかに負担がかかってしまうので、まずは「自分の思い通りに動かせる身体」を作っていきます。どのスポーツでも、自分の思い通りに身体が動かせるという事は重要だと思いますし、実際、S/PARK Studioのインストラクターやお客さまに、モーションビューティーメソッドを受けたあとに走ってもらったところ、「身体が楽に走れるようになった」という実感があり、さまざまなスポーツを行う際に、有効なコンディショニングになると考えています。

「美しい歩き方」を身につけるために、日常的にできる事はありますか?

白土)下を向いて猫背で、歩幅が狭く、とぼとぼとした印象で歩いている⼈が多く見受けられるのですが、ある程度は自分の意識で変えられると思います。
具体的には、足を大きく前に振り出すのではなく、「後ろの足で地面をしっかりと蹴り出す」事や、「腕を肩甲骨から動かし後ろに引く」事を意識するなどの、ちょっとした意識の違いです。生きいきと颯爽とした歩きを心がける事で、自然と心も前向きになる事もあるので、日常生活の中でもぜひ取り組んでいただきたいと思います。

ありがとうございました。

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