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スポーツSDGsとは?

ずばり、「スポーツの力を活用したSDGsの達成」です。 人々が言葉・年齢・性別などを超えて繋がることができ、人々を巻き込む力を持っているスポーツは「持続可能な開発目標(SDGs)における重要な鍵」となるものだと考えられています。例えとして、SDGsの目標のうち、以下の3つが分かりやすいのでご紹介します。

神奈川大学 
小倉乙春特任教授に聞きました。

小倉乙春氏プロフィール

神奈川大学 人間科学部 人間科学科 特任教授
1953年東京生まれ
専門はスポーツ経営学、スポーツ社会学、健康教育

趣味
以前はスキーとテニス。
最近はウォーキングや筋持久力トレーニングなどの軽スポーツ&音楽鑑賞。

スポーツは競技スポーツだけを指すものではなく、広義では「フィジカルアクティビティ(身体活動)」であり、スキルや得意不得意に関わらず、誰もがもっと平等にライトに楽しめるものです。例えば、老若男女や健常者・障がい者、誰もが楽しめる「ゆるスポーツ別ウィンドウが開きます」がいい例ではないでしょうか。私はスポーツは個人や社会に「ウェルビーイング(Wellbeing)」をもたらすものだと考えています。この言葉をダイレクトに表現するのは難しいのですが、直訳すると「良き在り方」。最近では、地方自治体の政策などで出ているワード「健幸(けんこう)」が理解しやすいのではないかと思います。

なぜスポーツがSDGs達成に有効かというと、上記のウェルビーイング以外にも多くのメリットがあるからです。例えば地域の絆づくり、街づくり、教育支援、ジェンダー教育の理解促進などです。スポーツには「人を繋ぐ力や協働しながら刺激を与えあう力」があります。海外ではスポーツSDGsの考え方が進んでいて、お手本にすべき事例が沢山あります。例えばイギリスのウェルビーイング政策別ウィンドウが開きますや、アメリカのグリーン・スポーツ・アライアンス別ウィンドウが開きますなど。日本で進んでいるのは、やはりJリーグです。例えば、2020年のJリーグ「シャレン!アウォーズ」別ウィンドウが開きますでは大宮アルディージャが2006年から取り組んでいる手話応援デー(ノーマライゼーションの普及)やFC東京の少年院の少年たちの社会復帰サポート活動などが表彰されています。

日本でスポーツSDGsの認知・興味がまだまだ低いのは、教育界で浸透していないことが大きな原因になっていると感じています。昨年カリキュラムの変更があり、ようやく盛り込まれたので、これからの変革が楽しみです。ただ、スポーツSDGsとはなにも難しいものではなく、一人一人の意識次第なのです。例えば、ラジオ体操に30年通っている方も立派なロールモデルです。他にも、自分が使うスポーツ用品を、少し意識して「どんな作られ方をしているのか?フェアトレードなのか?」などと考えて選ぶこともスポーツSDGsのアクションです。一人ひとりが、家族が、社会が、企業がそのように考えることで、スポーツを通じたウェルビーイングを手に入れることができるのです。

「スポーツSDGs」の認知・興味関心度合いについて

我々が独自に行った調査では、スポーツSDGsに関する内容を知っていると答えた人が12.8%。スポーツSGDsに興味・関心があると答えた人が12.3%となりました。

一方で、スポーツSDGsを知らないと答えた人が74.5%、興味・関心がないと回答した人が56.9%という結果でした。「SDGs」という言葉やその意味は、ここ最近テレビ番組など、様々なメディアでも頻繁に取り上げれらていますが、スポーツとセットになった「スポーツSDGs」という言葉やその意味・精神が世に知られていくのはこれからなのでしょうか。

※資生堂 レディスオープン調べ 2021.4.23 Web調査  15~69歳/男女2,000人に実施

スポーツSDGs認知
スポーツSDGsへの興味・関心

大会スタッフとして感じたこと

スポーツSDGsは、決して難しいことではなく、日常のスポーツシーンの中で「これって地球に優しい?」「不平等じゃないよね?」「誰かが困っていない?」と少し視野を広げて考えてみることから始められるものですよね。

小倉先生のお話や調査結果から、大会を通じたスポーツSDGsへの取り組みをもっと進めてみようと思いました。

大会スタッフ一同は、小さなころから努力と挑戦を重ねてきたプロゴルファーたちに「活躍の場」として提供したい、そんな想いで「資生堂 レディスオープン」を開催しています。そして、そんなプロゴルファーたちの姿や大会そのもののが、より良い社会や環境を考える上でのきっかけとなることを願っています。

その想いを具現化するために、私たちは大会を通じて何ができるのか、引き続きチームで検討を続けたいと思います。そして、既にスポーツSDGsに取り組んでいる各方面の方々とも繋がりを持ち、学んだり連携していけたらと思っています。

ちなみに私個人のスポーツSDGsとしては…オープンウォーターの水泳大会に出場する時に、その海の環境を調べたり、大会までの道中でゴミ拾いをしてみよう!!と考えています。

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