「4D デジタルスキン™」。皮ふを変形した際に、各種構造がどの程度変形したかをカラーで表示して把握できる。
たるみはなぜ起きるのか?その要因を解明するため、研究チームは、様々な先端技術を開発しました。皮ふの構造に加え、その動きまで捉える「4D デジタルスキン」はその一例です。従来の平面(2D)での皮ふ解析を、飛躍的に進化させた独自技術で、たるみの4つの要因を解き明かすことができました。
顔の肌には、特徴的な構造が存在し、顔の形状を保持することを発見。「アンカー構造」と名付けました。アンカー構造が加齢で失われることで、顔の形状を支えられなくなり、たるみに繋がることを解明しました。
皮ふの「真皮」はコラーゲンで満たされ、皮ふのハリを生み出します。この真皮が加齢に伴い大きく失われ、「空洞化」することを発見しました。この「真皮空洞化」により、皮ふのハリが低下し、たるみが進行することを解明しました。
真皮の「線維芽細胞」はコラーゲンをつくり出し、皮ふのハリになります。線維芽細胞は互いに繋がることで、その若さを維持することを発見しました。この「線維芽細胞ネットワーク」が失われることで細胞が老化し、皮ふのハリが失われ、たるみに繋がることを解明しました。
重力に抵抗する立毛筋
皮膚を均等な力を加え、皮膚の変形を観察すると、変形に抵抗する場所が存在します。 この抵抗部位には立毛筋が存在していることがわかりました。立毛筋は寒冷や情動などの刺激により収縮し、毛を逆立たせるときに大きな力を発揮する筋肉です。立毛筋が毛と皮膚の表層付近を繋ぎ、これが変形時の皮膚の動きを制限することで、変形に抵抗すると考えられました。
さらに解析を進めると、顔面の皮膚では立毛筋が高密度に存在し、それが重力方向と反対向きに配列していることが確認されました。
加齢による立毛筋の衰え
若齢肌に比べると高齢肌の立毛筋は加齢により衰え、悪い状態となることが確認されました。
さらに加齢にともない立毛筋群の流れ(「ダイナミックベルト™」)が失われ、皮膚が重力に抵抗することが困難となり、たるみが発生すると考えられます。