基底膜は厚さわずか0.1マイクロメートル、卵のうす皮の200分の1程度のごく薄い膜。表皮と真皮の間に存在し、両者をつないで肌の働きをサポート。
“肌再生の源”基底膜は、表皮と真皮をつなぎとめそれらのコミュニケーションを司るとともに、肌に新たな細胞を生み出す「表皮幹細胞」の活動を支える土壌のような存在。この基底膜こそが、肌の美しさに大きな影響を与えていることがわかってきた。
加齢や紫外線によって20代後半からすでに基底膜ダメージが始まっていることがわかった。肌の状態を示す表皮のきめの乱れは30代から進行するのに対し、さらに早い段階で、基底膜から肌の老化は始まっていることを解明。
基底膜が、肌の再生力の要である表皮幹細胞の維持に重要であることを発見。基底膜がダメージを受けると、表皮幹細胞が減少。表皮細胞が生み出される力も減っていくため、肌の健やかさが損なわれ、老化が進むと考えられる。
肌を構成する成分の分解酵素である「酵素ヘパラナーゼ」と「酵素MMP-9」が紫外線によって活性化することで、基底膜にダメージを与え、光老化を促進していることを解明。
これらの酵素は2段階で基底膜にダメージを与える。まずヘパラナーゼが基底膜を覆って安定化させている糖鎖を分解。さらに基底膜を構成するタンパク質をMMP-9が破壊していくことがわかった。
基底膜が紫外線などの外的要因によってダメージを受けると、表皮のバリア機能が低下し、乾燥や肌あれの原因となる。また同時に、真皮のコラーゲンが減少し、シワやハリの低下、たるみなどエイジングサインが現れやすくなることがわかった。