地域概況
2022年地域別売上実績および主要ブランド
6つの地域本社とグローバル経営体制
2016年より、6つの地域とブランドカテゴリーを掛け合わせたマトリクス型のグローバル経営体制を敷いています。地域本社がそれぞれのビジネスの責任と権限を持ち、「Think Global, Act Local」の考え方のもと、地域のお客さまのニーズに合ったマーケティングや迅速な意思決定を実行します。
2022年の実績
報告セグメント別売上高
報告セグメント別売上高
前年比
前年比
報告セグメント別コア営業利益
利益
利益率
利益
利益率
報告セグメント別営業利益・コア営業利益率(%)
日本事業
攻めのマーケティングにシフトし、スキンビューティー領域への集中投資と間断ない商品イノベーションを通じて成長軌道へと回帰させ、市場成長を超えた伸長を目指します。
加えて、さらなるコスト構造改革を実行し、収益基盤を再構築していきます。
関連データ
市場環境
2022年上期は消費の二極化、特に中価格帯から低価格帯への移行が見られた。第3四半期からは外出機会の増加により、デパートを中心にトラフィック回復、また下期は中価格帯も回復に転じた。第4四半期より海外からの旅行客の往来も徐々に回復。
2022年の振り返り
- 新型コロナウイルス感染症による影響からの回復が遅れていた中価格帯市場が下期回復基調に転じた
- 年間を通じ、創業150周年を記念したプロモーションのほか、スキンビューティーブランドへの戦略的投資を継続強化
- 9月に「エリクシール」から最新のコラーゲン技術を搭載した化粧品・乳液をリニューアル発売
- 店舗やEコマースなどの販売チャネルやブランドごとに提供していた会員サービスを一つに集約した新会員サービス「Beauty Key」を導入。これによりお客さまニーズに対応したカウンセリングサービスを可能にしたほか、デジタルコミュニケーションをさらに強化
9月にリニューアルした「エリクシール」の化粧水・乳液
新会員サービス「Beauty Key」
中国事業
生活者価値観の多様化や市場成長の安定化を踏まえ、大型プロモーションや価格訴求に偏重することなく、ブランド構築や愛用者増加を主軸とした「質」重視のマーケティングを実践。ブランド体験強化、専用商品開発・育成に注力し、自社生活者データ基盤を活用したCRMの強化も図ります。
関連データ
市場環境
2022年上期は上海のロックダウン等で市場が大きく減速。下期も複数都市での断続的なロックダウンや、生活者の貯蓄増加傾向などの消費動向の変化により、化粧品市場は減速。中国最大のEコマースイベントである“ダブルイレブン”も市場は2021年を大きく下回る結果となった。
2022年の振り返り
- 大型プロモーションを中心とした成長から、より消費者のニーズを踏まえたブランド・商品の価値伝達による持続的成長への転換を推進
- 中国最大のEコマースイベントである“ダブルイレブン”において市場が大きく前年を下回る中、当社は市場を上回り、年間Eコマース売上は成長を実現
- 主要プラットフォームへの展開拡大、効果・効能にフォーカスしたコミュニケーション強化が奏功
- オンラインでは、実店舗ならではのユニークな体験価値の提供、愛用者基盤の拡大の継続的な取り組みを強化
「SHISEIDO」街頭でのポップアップイベント
「クレ・ド・ポー ボーテ」TikTokでのプロモーション
アジアパシフィック事業
プレステージブランドのポートフォリオ強化を進めると同時に、地域の独自ニーズを捉えた事業開発に注力していきます。また、インドをはじめ、今後期待される市場成長を着実に取り込むべく、事業基盤を構築・拡充していきます。
関連データ
市場環境
2022年は経済活動の正常化に伴い、市場は台湾を除く多くの国・地域で回復。
台湾は、第3四半期から回復基調。
2022年の振り返り
- 韓国・東南アジアなどの国・地域ではリオープニングに伴う実店舗への客足増加により力強い成長を実現
- 主要Eコマースプラットフォームへの展開強化、デジタル活用によるお客さま接点の拡大等により、事業全体のEコマース売上の成長継続
- ブランド別では「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」、「NARS」、「アネッサ」が全体の成長をけん引
「アネッサ」パーフェクトUVスキンケアミルク
米州事業
構造改革が完了した強固な事業構造のもと、次なる成長の柱として成長基盤を強化していきます。積極的なブランド強化を進めるとともに、現地発のイノベーション促進や、デジタルを最大限活用したお客さまとのエンゲージメントの進化にも注力します。
関連データ
市場環境
経済活動の正常化に伴い、化粧品市場はすべてのカテゴリーで伸長。インフレ影響や、リセッションの懸念もある中、プレステージビューティー市場は堅調に推移。
2022年の振り返り
- 新型コロナウイルス感染症による影響の緩和と経済活動の正常化に伴い、化粧品市場は全カテゴリーで成長を継続
- 「NARS」は新商品ライトリフレクティングファンデーションの好調やデジタルマーケティング強化を通じたEコマースの力強い成長により、シェアを拡大
- プロモーションを強化した「SHISEIDO」も堅調に推移
「NARS」新商品ライトリフレクティングファンデーション
欧州事業
構造改革によって改善された収益基盤を活かし、プレステージブランドの育成・強化を図るとともに、フレグランスの収益拡大を推進。サステナビリティなど市場の関心を捉える新スキンケア領域の開拓にも取り組みます。
関連データ
市場環境
経済活動の正常化に伴い、化粧品市場はすべてのカテゴリーで伸長。インフレ影響や、景気後退の懸念もある中、化粧品市場においての消費意欲の減退は見られず、堅調に推移。特に新型コロナウイルス感染症による影響で2021年は厳しかったメイクアップカテゴリーを中心に大きく伸長。
2022年の振り返り
- 需要の回復を捉えたプロモーションにより、「NARS」や「narciso rodriguez」等が力強い成長を実現、シェアを拡大
- 「Drunk Elephant」は展開拡大を着実に進め、売上成長に貢献
「narciso rodriguez」フレグランス新商品のMUSC NOIR ROSE
トラベルリテール事業
国際的な旅行者数の回復や海南島の市場規模拡大といった環境変化を踏まえ、海南島の事業やプレステージブランドの投資を拡大するとともに、トラベルリテール限定品など、ブランド・商品の差別化を図ります。
関連データ
市場環境
中国上海のロックダウンによる物流影響や、8月海南島でのロックダウンの影響などを受け、第2四半期以降、市場は減速。一方、欧米では経済活動の正常化に伴い旅行者数は継続的に増加。日本への旅行客は水際対策の規制緩和により回復基調。
2022年の振り返り
- 新型コロナウイルス感染症による影響の緩和に伴い旅行客の往来が再開。欧米を中心に急速に回復
- 中国海南島においては、ロックダウンの影響を受けたものの、10月に海口市にオープンした世界最大の免税ショッピングモールへの新規出店やEコマースの伸長により力強く成長
中国海南島にオープンした「Haikou International Duty Free Shopping Complex」での当社店舗