ACTIONS
女性管理職への意欲を
向上させるキーアクション!
~資生堂女性リーダー育成塾~
女性管理職への意欲を
向上させるキーアクション!
~資生堂女性リーダー育成塾~
資生堂は2030年までに、国内資生堂グループにおける管理職の男女比率を機会均等の
象徴である50:50にすることを目指しています。
達成のためのキーアクションとして2017年から女性リーダー育成塾
「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」(以下NLW)を推進してきました。
塾長には経営トップが就任し、女性管理職のパイプライン強化を目的に、
女性自身の意識改革だけでなく
上司や組織を巻き込んだ取り組みを推進しています。
「NLWの概要」
目的:女性社員がマネジメントや経営のスキルを学びながら「自分らしいリーダーシップ」を発見することで、より大きな影響力を発揮することへの自信と覚悟を持つこと
対象:管理職前の女性社員、管理職の女性社員、幹部候補の女性社員
主要コンテンツ:NLW Basic/NLW/NLW Advanced
成果:研修後の昇格意欲88%以上
INDEX
01
女性リーダー育成塾
NLWとは
NLWのプログラム構成
NLWは以下の3プログラムで構成されています。
⚫︎管理職候補となる女性社員を対象とした「NLW Basic※」
⚫︎部門長候補となる女性管理職を対象とした「NLW※」
⚫︎エグゼクティブオフィサー候補となる女性管理職(部門長クラス)を対象とした「NLW Advanced」
※「NLW Basic」と「NLW」では受講者の上司を対象とした「上司向けセッション」も実施しています。
プログラム開発の経緯
部門長候補の女性管理職を対象としてスタートしたNLWは、女性管理職人財育成のパイプライン強化という目的のもと、2020年からその対象を広げ進化してきました。
「カリスマ的なリーダーでなければならない」「先頭に立ってチームをけん引するようなリーダーシップを発揮しなければならない」という思い込みから解放し、自分らしさの核となる信念や使命を探求することで、自分らしいリーダーシップのあり方を発見し自信と覚悟を高めるプログラムとして設計しました。
02
プログラムの進化と
設計のキーポイント
プログラムの進化
当初は受講者の自信を深めるプログラムに特化していましたが、影響力を発揮していくためには「スキル」の向上も充実させる必要があることから、「ストーリーテリング」「戦略的思考」「コーチング」などをプログラムに組み込みました。
また、受講者の女性社員と女性エグゼクティブオフィサーによるメンタリングプログラム 「Speak Jam」もスタートしました。少人数の参加者で女性エグゼクティブオフィサーを囲み、対話を重ねることで、キャリアに関するアドバイスやヒントを得るセッションです。受講者が自身の悩みをエグゼクティブオフィサーや他の受講者と共有することで、自身のリーダー像の幅を広げることにつながります。またエグゼクティブオフィサーにとっても社員の声を聞き、経営にいかすためのインプットの場になっています。
さらに、次期エグゼクティブオフィサー候補のための「NLW Advanced」は、経営者視点で戦略を立て、塾長にプレゼンし、フィードバックを得るなどトップを巻き込んだプログラムへと進化しています。
「上司向けセッション」構築に至った背景
「NLW」と「NLW Basic」では受講者の上司に対するセッションも実施しています。
このプログラムを構築したきっかけは「資生堂の女性管理職のみなさんは孤軍奮闘しているように見える」という外部講師からのフィードバックでした。その課題解決のため、受講者の上司もプログラムの意義を理解し、受講者に伴走してもらうことを目的に構築しました。
プログラムでは上司自身が内に抱えるバイアスに気づくこと、受講者との1on1で実践できるコーチングスキルの習得、さらには受講者のインサイトを深堀りするスキルや、女性リーダー育成のために不可欠となる戦略的な能力開発育成に関するプラン策定方法などを学びます。
プログラム設計におけるキーポイント
本プログラムが当社の女性リーダー育成のキーアクションとして効果的に機能している要因には、設計において重要視した3つのポイントがあります。
キーポイント①
経営トップからの期待とフォローアップ
経営トップが塾長となり、参加者に直接メッセージを発信し支援をしています。塾長が研修の意義や参加者への期待を自身の言葉で伝えることで受講者のモチベーションを高めます。
キーポイント②
対象者は女性のみ
対象者を女性のみとする点に関しては、当初、周囲や参加者からの賛否が分かれました。しかし、女性同士だからこそ、安心・安全な関係性で自己開示がしやすく、深い内省ができるというメリットがあります。さらには、受講後には相談し合える横のつながりができること、これらは本プログラムの特徴的な要素になると考え重視しました。
キーポイント③
「7・2・1の法則」の学びと実践のサイクル
業務における学びは、7割を「仕事上の経験」から、2割を「上司や先輩からの助言やフィードバック」から、残る1割を「研修などのトレーニング」からと言われています。この法則に基づき、研修で得た学びをまず職場で実践する、上司との1on1やコーチングで振り返る、そして次のアクションを実践する、このサイクルを受講期間の8カ月~10カ月続けていくことで学びを定着させます。実際に受講者からも「自身の成長が実感できる研修だった」という声が多数寄せられています。
03
プログラムの成果と
受講者の変化
<プログラムの成果>(24年1月時点)
⚫︎累計受講者数 266 名(NLW/NLW Basic/NLW Advanced累計)
⚫︎2022年までの受講者 184 名のうち 97名が昇格
⚫︎受講者の88%以上が受講後にアンケートで「昇格意欲がある」と回答
受講者の変化
受講前のアンケートでは、「自信がない」「自分はリーダーに向いていない」「キャリアをつくるという考えがない」といった不安や消極的なコメントが多くありましたが、受講後は以下のように変化が見られました。
●「自分らしいリーダーシップに気づけた。それについて周囲から賞賛や共感を得られて自信がついた」
●「制約があると思っていたのは自分で、自分自身が最大の壁だった。謙遜するのではなく、自分の持てる力を出しきってこそ組織・会社に貢献できるという考えに変わった」
●「自分のやりたいことを実現する、そのためにポジションを活用していくことも自然に捉えられるようになった。昇進の機会があれば受けたい」
以上、プログラム開発の経緯、そのプログラムの進化、設計におけるキーポイントを解説してきました。このような進化を続け、今やNLWは当社の女性リーダー育成・パイプライン強化において重要なキーアクションとして定着してきました。