美容情報
「おしゃれなひととき」
2020年
春・第130号

Beauty Pick Up! -2020年の春夏トレンド情報

「気候変動への危機感を背景に、“本質的でシンプル”がトレンド」

次は、「Beauty Pick Up!」のコーナーです。この春注目したいトレンド情報と、おすすめアイテムなど、6つの情報をご紹介します。
まずは、2020年春夏のファッションとヘア・メイクの最新トレンド情報をお伝えします。

昨年9月から10月にかけて、ニューヨーク・ミラノ・パリで春夏向けのファッションウィークが開催されました。その内容から、今季のトレンドをご紹介します。
クラシカルなエレガンスがトレンドだった、昨年秋冬シーズン。今季は、その余韻は残しながらも、新たに「本質的でシンプル」という方向性が浮かび上がってきています。
背景には、アマゾンの森林火災やスウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさんの活動のニュースが国際的に注目され、気候変動に対する危機意識がかつてなく高まってきたことがあります。各ブランドは、環境配慮やサスティナビリティ(持続可能性)の重視をさまざまな形でアピールしていました。気候変動をテーマにしたブランドも登場し、会場設営でも資材のレンタルや再利用が進んでいました。ただし、ファッションとしての傾向は、環境配慮だからといって単にリメイクやアップサイクルという形に終始するのではなく、本質を見極めることによって到達したシンプルさや、自然志向という方向性が顕著です。
今季もっとも新しさを感じさせたのは、本質に近づくためにそぎ落とされたシンプルなスタイル。シンプルスタイルとはいっても、90年代のミニマリズムのような都会的で洗練された冷たい印象とは違っています。印象的だったのは、ガーゼやごく薄いカシミヤなどの素朴でピュアな素材使い。それらの素材を、20年代風のドレスに仕立てたり、かっちりしたジャケットに合わせるなどの意外性やアンバランス感によって生まれた新しさが、目を引きました。
また、いつも以上に「自然」を創作モチーフにするブランドが目立っていたのも、今季の特徴です。特に、ジャングルや生命感に満ちあふれた南国の動植物など、荒々しくバイタリティにあふれたエネルギッシュな自然への憧憬が感じられました。また、小石をモチーフにしたバッグや貝殻を使用したアクセサリーなど、自然素材をそのままファッションに取り入れる動きも目立ちました。
さらに、シルエットにも今季らしい特徴が見られました。昨シーズンは80年代のリバイバルで肩のラインを強調するスタイルが登場しましたが、今季は肩だけでなく、ふくらませたスカートやパフスリーブなどで腕や腰回りを強調するシルエットが、大きく広がりました。トレンドの流れがシンプルな方向へ進もうとしている中で、装飾ではなくシルエットの面白さをデザインのポイントにしようという意図が感じられます。一方、膝丈ほどのバミューダショーツも人気で、アクティブからラグジュアリーなスーツスタイルまで、多くのブランドで取り入れられていました。
本質的でシンプルという傾向はカラーのトレンドにも表れ、ホワイトが圧倒的に目立ちました。ナチュラルな生成りやオフホワイトもありましたが、今季らしさを感じるのは、青みの冴えたピュアホワイト。軽やかで清廉潔白なイメージが好まれているようです。
また、白と同じく本質的な色ということでブラックも、通常より多く提案されています。さらに、モダンさを加えるための色として、昨年ブームとなったネオンカラーのほか、ペンキで塗ったような人工的な空色が登場。ベージュや焦げ茶などと合わせるコントラストの効いた配色が新鮮でした。一方、根強く残るレトロスタイルへの志向性の影響か、赤やピンクでは黄みを帯びたコーラルレッドやコーラルピンクが増加していることも、注目です。
素材としては、プリミティブでナチュラル、かつエッセンシャルなイメージの天然素材が求められていて、リネンやコットンが今季を代表する素材となっています。また、素朴さや精巧な手仕事感の演出のため、クラフトタッチのぬくもり感のあるレースも多く使われていました。
メイクアップのトレンドについては、昨年秋冬シーズンに、大きな転換の兆しが見えていました。それまでは、いわゆるすっぴん風のメイクが主流だったのが、昨シーズンは、あえて抜け感をつくらず肌を完璧に美しく整え、目もとや口もとにもボリュームのあるメイクが新たなスタンダードとなる兆候が感じられました。
今季は、その兆候が広がって表現も豊かになるという、継続と発展のシーズンです。特徴は、つややかな肌と、目もとと口もとのボリュームバランス。色ムラを整えたフレッシュなツヤ肌が今季のキーとなる存在です。そのため透明感とツヤのあるクリームやリキッドハイライターが必須アイテム。一方、目もとと口もとのボリュームバランスについては、目もとに深みをつけるときにはリップを控えめに仕上げたり、リップに強い色を持ってくる場合は目もとは少し軽めに仕上げるなど、春夏という季節に合ったフレッシュな印象が目立ちました。
また、少数ではあるものの印象的だったのが、メタリックや極端に鮮やかなカラー、ラインストーンなどを使ったアクセサリーのような存在感を放つメイク。シンプルさが増したファッションのアクセントとして引き立ち、新しさを感じさせました。
ヘアについては、春夏らしいシンプルでフレッシュなスタイルが主流となっています。特に、ミドルパートのダウンスタイルというベーシックな定番ルックが多く見られました。また、編み込みのバリエーションも多く登場。シンプルな強さを軸にして、個性に合わせてエレガントにまたはピュアにと、さまざまな表情を見せていました。

以上のコレクショントレンドに加えて、資生堂では、国内女性雑誌やSNSの傾向、街頭調査などからヘア・メイクの傾向を総合的に分析・研究しています。それらの結果を踏まえて資生堂のヘア&メイクアップアーティストが提案する、この春夏のメイクアップとヘアを最後にご紹介します。
メイクの傾向としては、無難にまとめるのではなく自分らしさを追求するのが、昨年の秋冬から続くトレンドです。この春夏のおすすめとしては、2つのパターンがあるので、個性やシーンに合わせて取り入れてみてください。1つめは、ちょっと辛口でクールな印象のメイクです。強めの眉に、目頭に入れたゴールドのアイシャドウがアクセントになります。上下のまぶたには、ベージュ系のアイシャドウで影を付けます。リップは、春夏シーズンですが、あえてソフトマットに。発色の良いオレンジとレッドなどがおすすめです。リップをポイントにしたいのでチークは控えめに仕上げます。血色感が欲しい場合には、肌なじみのよいオレンジやブラウンを少量なじませます。肌は、うるおいのある下地とファンデーションに、ほお骨の部分に繊細なパール入りのハイライトをプラスして、ツヤ肌に仕上げましょう。
もう1つのパターンは、ふんわりとしたイメージにまとめるピンクのワントーンメイクです。目もとは、ピンクのアイカラーをアイホール全体にぼかして入れ、さらにその上に、透明感のあるグレーを重ねて、スモーキーピンクに仕上げます。アイラインは、目尻のみに太めに入れてください。リップは、透け感のあるパープルやラベンダー系がおすすめです。チークは、アイメイクとリップのバランスをとるように、深みのあるローズや青みを帯びたピンクをふんわりと広めに入れましょう。肌は、ワントーン明るくなるような下地を使って、春らしいツヤ肌に仕上げるのがポイントです。
ヘアについては、レイヤースタイルやウルフヘアなどシンプルなスタイルが好まれる傾向です。人気の女優さんやインフルエンサーも取り入れています。色のトレンドは、ダークカラー。ハイトーンに比べてダメージが目立ちにくく、髪がきれいに上品に見えます。ヘアアレンジの人気アイテムは、カチューシャやヘアピンの重ねづけ。ダウンスタイルや一つに結んだシンプルなスタイルに合わせるのが、今っぽくおしゃれに見せるコツです。また、スタイルがシンプルになると、髪本来の美しさが重要になります。毎日のヘアケアを大切にすることも、トレンドのおしゃれを楽しむポイントといえます。
上手にトレンドを取り入れ、あなたらしいおしゃれを楽しんでみてください。