安定した品質を保つ「中味」の設計を追究

本社や研究所で企画・作成した新製品の「レシピ」を、いかにして工場での生産にうまくつなげていくか考える、中味製造の設計を担当しています。もとになるレシピは、あくまで小容量でつくられたものですから、工場で大量生産するとなると、さまざまなズレが生じることも予想されます。例えばひとつの材料を加えるにしても、ビーカーレベルなら一瞬で投入できますが、工場のタンクレベルになると意外に時間がかかる。たったそれだけのことが、製品の品質に影響を与える場合も少なくないのです。そういった点を考慮に入れながら、私の手元で再度ビーカーレベルでレシピを再現。その後工場の機器を使ってテストを行い、求められる品質を保った新製品が生産できるかどうか、確認していくのです。 それと並行して、既存の製品の品質や製造効率を向上させるための設計改善も手がけています。すでに一定水準の設計が出来上がっているものを、さらによく、つくりやすくしていくのはなかなかむずかしい。これまでの経験から新たな可能性を探り出すよう努めていますが、同時に現場にも顔を出し、製造に携わっている社員と積極的に話していますね。つくり手ならではの意見は、アイデアにつながるヒントとなることも多いのです。

人にもよると思いますが、私は比較的、現場作業者との接点が多いのではないでしょうか。彼らとのコミュニケーションは国内にとどまらず、海外にまで及びます。なぜなら、ベトナム工場で新たに生産を始める製品の製造ノウハウなどを教える、製品の立ち上げ支援を行うのも私の業務の内だから。海外であっても日本と同じ品質の製品生産を実現させるため、ここでもやはり、たくさんのことばを交わすようにしているのです。

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工場を出て、お客さまの笑顔に直接触れるチャンスも

数年前には、資生堂が出店しているショッピングモールで、製品サンプルをお客さまに配る経験もしました。ふだんは工場内で研究に勤しんでばかりなので、製品の受け取り手となるお客さまと接することはほとんどありません。そのため、失礼などないように、新人研修を思い出すほどしっかりとした練習をしてからその場に立ちました(笑)。嬉しかったのは、サンプルをお渡しした方が、そのまま製品をお買い上げくださったこと。日頃から「お客さまに確かな品を届けるために」と意識してはいますが、実際に販売につながると、こんなに嬉しいものなのかと自分でも驚いたほどです。同時に、どんなよい製品でも「売る」ことは大変と実感。販売スタッフに対するリスペクトの気持ちも生まれました。

そのほか、大阪工場独自の取り組みとして、近隣の施設を訪れクリームを使ったハンドケアをほどこすという活動も実践されています。こういった、お客さまと触れ合う経験は工場で働く者にとっては非常に貴重であり、日々の仕事にさらに熱心に取り組むための原動力にもなるものです。業務との兼ね合いで、私自身は頻繁に参加することはできませんが「機会があったらぜひ」と前向きに捉えたくなる活動が、複数展開されているといえるでしょう。

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人とのつながりなくして仕事はできない

入社以来、ずっと中味製造・設計に関わってきましたが、経験を積むほどより幅広い知識を得、技術を身につける必要性を強く感じます。設計については自信が持てても、「中味」という広い範囲で考えると、まだまだ疑問は数多い。それでも、周囲にはいろいろな業務の専門家が揃っていますから、先輩後輩、部署の別なく「私の疑問に答えをくれる人」を探し出し、日々教えを請うています。

設計にはひとり黙々と作業し、研究するといったイメージがあるかもしれませんが、他部署とのつながりは深く、むしろそうでなければ求められる設計をつくり上げることができません。ですからひとり試作機などに向かっているときも、常に工場の仲間を意識して、彼らの仕事に貢献できるようなものづくりを行いたいと考え続けているのです。

越智 吉豊 越智 吉豊

越智 吉豊Ochi Yoshitoyo

チャレンジする中で起きた「失敗」も、次に活かせるデータとなり貴重な経験として積み上げられていくのは、この仕事ならではのおもしろさ。個人的には「こんないい仕事、他にないんじゃないだろうか」と思えて仕方ありません。

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