人を巻き込み「みんなで」職場の改善を

工程上、どうしても人の手で行わなければならない作業はありますが、工夫しだいで機械に任せてしまえる仕事もある。そんなふうに考えていました。そういった視線で生産ラインを眺めていたとき、目に留まったのがファンデーションを入れる中皿をライン上に載せる作業。中皿の向きを変えるために人の手が使われていたのですが、その自動化は可能と思いついたのです。

ただ、その場に動力機器などをプラスしてしまうと、変更はかなり大掛かりになってしまいそう。そのため、電気的な動力を使わずに中皿の方向を変えることができる「からくり」を考案。加えて、そのラインで異なる製品をつくるときに行う部品の切り替えも、ネジ2本に触れるだけで簡単にできる仕組みとしました。その結果、作業の工数と人の削減が実現。職場改善の審査会で最優秀賞をいただくことができたのです。

この改善活動の過程では、ライン担当者や他部署に所属する技術者など、できるだけ多くの人を巻き込むように意識して動きました。発端となるアイデアは個人が出すかもしれませんが、それをもとに「みんなで」工場を変えていく、そんな考え方を根づかせたかったのです。こうやって、自分だけでなくチームや工場全体のことを考えられるようになったのは、私にとっての成長。ただそれを得られたのは、常にチャレンジを推奨し、それでいてむやみに失敗をとがめない会社の姿勢から、多くの恩恵を受けてきたおかげだと思います。

感度を磨き、未来のトレンドを読み取る 感度を磨き、未来のトレンドを読み取る

今の業務と、これからの業務に役立てるために知識を吸収

私の本来の業務は、ファンデーション生産に使う設備の操作やメンテナンスです。機器が故障した場合は速やかに修理を行うだけでなく、ふだんからまめに設備の状況をチェック。定期的に解体を行って清掃し、不具合の有無を確認して、大きなトラブルが起こらないよう気をつけています。扱っている製品の性質上、目には見えなくともフロアの空気中には多くの粉が舞っていますから、機械にとってはシビアな環境。それがわかっているからこそ、メンテナンスにも自然と力が入るのです。

そして仕事のかたわら、自分の知識量を増やす努力も続けてきました。プログラムについて、加工技術について、さらには作業効率改善のノウハウ、各役職に課せられる役割とは何かなど、入社してから新たに学んだことは多いです。これは、工夫さえすればある程度時間をつくれることも少なくない、メカニックの立場を活かしての成果と言えるかもしれませんね。ただここは、メカニックに限らず、向上心とものづくりへの強い興味があれば、必ず何かしらを学べる場。その意味で、こんなに楽しい職場はないのではと感じています。

チャレンジを恐れず、個性的なメイクを提案 チャレンジを恐れず、個性的なメイクを提案

これからも「誰もやっていないこと」に挑戦し続ける

メカニックとしての仕事をおろそかにすることはありませんが、同じくらいの熱意を持って職場の改善活動にも勤しんでいます。先の「からくり改造による工数削減」もその成果のひとつ。そして現在も、品質向上、生産性向上につながる新たなファンデーション充填機の開発に取り組んでいるところです。

このような開発アイデアを出し、実践するのは業務のうちであり、同時に改善活動の一環でもある。言葉の上ではこのふたつは別物のように聞こえますが、実際は深く結びついているため、ごく自然に両者に取り組むことができるのです。

入社当時の私は、設備について知ること自体がおもしろく、メカニックとしていかに「機械を止めずに動かし続けるか」にこだわっていました。けれど今では、得た知識を活かしながら、まだ誰もやっていないことに挑戦するのが楽しい。ですから、改善活動に熱心に取り組むのは職場のためであり、私自身のためでもあると思うのです。そんな私の根底にあるのは、ごくシンプルな「やってみよう」という気持ち。そこに端を発したあらゆる活動を懐深く認めてくれるこの工場は、私に適した職場なのでしょう。

ヴラドゥ オアナVrado Oana ヴラドゥ オアナVrado Oana

萩原 卓弥Hagiwara Takuya

年を追うごとに何だかお節介になり、基礎的な機械知識を周囲に教えて回るようになりました。知らないことを知る、それを純粋に楽しんでくれる人も多いですし、「もしも」「何か」があったとき、わずかでも機械の知識があれば役に立つのではないかと思うのです。また、知識があればアイデアが生まれ、新たな職場環境の改善策も出てくるでしょう。自ら楽しみながら、結果として工場のためになる活動ができる、そんな仲間をもっと増やしていきたいのです。

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