よりスムーズな生産を実現させるために

現在の掛川工場は、自分たちで使う生産機器は自分たちでつくっていこうという方向に動いています。通常は、産業機器会社から製品を購入、本工場向けにカスタマイズしてもらうか、専用機能を持った機器をオーダーするのが一般的なやり方。けれどその場合、仕様の規制や納期が確定できないなどのデメリットも生まれます。ならばいっそ、内部で機器を製造してしまえばそれらデメリットは解消され、なおかつコストも低くなる。また、メイクアップ製品を生産しているという工場の特性上、新製品や既存品のリニューアルが頻繁に発生しますから、機器製造部門を内部に持っていたほうが臨機応変な対応ができるのです。

私はその、工場内で使う機器を新たに開発・製造する内製チームに所属。製品生産に必要とされるものづくりを行い、機械的な面から現場をサポートしています。

感度を磨き、未来のトレンドを読み取る 感度を磨き、未来のトレンドを読み取る

チームの技術力が試されたプロジェクト

開発の発端となるのは、大きく分けて2パターン。工場から「こんな機能を持った機器が欲しい」とリクエストがくる場合と、現状使用している機器の問題を解決、改良していく場合です。そのほか、工場内で活発に行われている改善活動にも参画して、設計や部品づくりなど技術面での助力もしています。

これら業務において、私が経験したもっとも大きなチャレンジは、これまでにない新しいタイプの口紅を生産する機器の開発でした。異なる2色を組み合わせて1本の口紅をつくるという製品でしたが、設定された開発期間はごくわずか。なおかつ既存の設備はほぼ使えないという状況下、4カ月ほどの間にその成形法の考案とテスト、設備設計、製作を行ったのです。このときはさすがにグループ総掛かりで、担当を決めつつすべてを同時進行。私が行ったのは成形方法の確立ですが、異なる2色の口紅を割れなどないよう成形するにはどうすればいいか、かなり頭を悩ませました。成形法を考えながら、その一方で生産機器もつくりながら、担当同士が頻繁にすり合わせを行って仕様を調整。全体を通し、とても困難なプロジェクトでしたが、ある意味内製チームに求められるものが凝縮された案件だったとも思います。

実はこのプロジェクトが、別部署から異動してきた私にとって最初の仕事。なかなかにインパクトがあり、けれど確かな成果も得られたいい経験、と今では思うことができますね。

チャレンジを恐れず、個性的なメイクを提案 チャレンジを恐れず、個性的なメイクを提案

純粋な技術の創造にも向き合える

このプロジェクトを通して、チームで業務に当たる意義とその価値を、これ以上なく強く感じることができました。また、自分のために、仕事のために、さらに独自に勉強して知識を深めていく必要性も。内製チームは、会社側から下りてくるリクエストに応えるだけでなく、自らアイデアを提案することもできるので、そのやりがいは大きいです。実際、今私が取り組んでいるのは製品化の予定も、その提案すらもされていない“モノ”をつくる際に、活用できる可能性を備えたオリジナルの機器。「技術的には、こんなことも実現可能ではないだろうか」との思いつきをしっかりとした形にし、この先工場側からの技術提案として本社に上げたいと考えています。

内製チームは、まだ世の中にない新しい技術を創造していける部署。私自身はそう思っていますし、それを期待されてもいるでしょう。ですから今後は、その期待に応えられるだけの力をつけ、価値ある生産機器を生み出し続けていける人材になりたいと望んでいます。

ヴラドゥ オアナVrado Oana ヴラドゥ オアナVrado Oana

深津 智洋Fukatsu Tomohiro

業務で、長く口紅に関わっているので、プライベートでもつい目新しい製品に手を触れてしまいます。化粧水などならまだしも、口紅を手に取りしげしげと眺めているのはやや怪しい姿かもしれませんね。ただ、いろいろなメーカーの商品を見て成形やデザインの違いなどを観察するのは勉強になります。口紅は、女性なら誰もが気軽に手に取る商品ですから、お試ししたり、購入したりしている様子を目にすることも多い。そのぶん、自分の仕事の成果を実感しやすいのがいいですね。

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