中味製造のプロフェッショナル

私が担当しているのは、久喜工場で扱っているパーソナルケア製品の中味製造。原料の割合やその配合手順を記した指示書を元に仕込みを行い、パッケージに充填する「中味」をつくるのが仕事です。

この仕事はすべてオートメーションで行われ、機械が正常に動作しているか管理するだけと思われがちですが、実はそうではありません。製品の特性によっては機械の機能が追いつかず、生産に支障をきたすこともしばしば。それをフォローし、確実な品質を保った製品づくりを行うため、人が手を加えることは欠かせないのです。その際必要となるのは、「これならお客さまの手元に届けて大丈夫」と自信を持って作業ができる技術、そしてプロ意識。私はそれを、自分の頭と手を精一杯働かせることで育んでいきました。

中味がいったん仕上がるとサンプルを取ってチェックするのですが、ときにはふっと仕事の意識が薄れ、素直に「きれいだな」と感動してしまうことも。そして、それをつくり出したのが自分であることをあらためて自覚、誇りのようなものが湧いてくるのです。

中味製造のプロフェッショナル 中味製造のプロフェッショナル

周囲から認められたからこそ得られた機会

最近では、新製品の立ち上げに関わる機会も増えました。これは、研究所で製品設計した製品を初めて工場の機械を使って生産する、試験的な意味合いも備えた大事な業務。研究所では比較的少量な、ビーカーレベルで製品設計を行いますが、それとは容量がまったく異なるタンクで製造してみると、まれに微調整が必要になることがあるのです。他部署を含めた、たくさんの社員に囲まれて作業し、その途中では、原料がきちんと溶けきっているか、温度調整に問題はないかなど、細かな確認も行われる。もしそこで何か問題が見つかれば、研究所の方が持つ理論と、私たち現場の人間の知見を組み合わせながら解決策を模索していきます。

今まで誰もつくったことがない、新しい製品を生もうという場では、当然空気もピリピリしたものになりますし、私自身「絶対に失敗できない」と強いプレッシャーを感じます。それでも、市場に広く流通する新しい製品をいちばん最初に製造できるというのは大きな喜び。店頭に「新製品」などのPOPがついて並べられた商品を見ると、この中味をつくったのは確実に自分なんだと思い、ちょっとグッときたりもしますね。同時に、それだけ責任の重い仕事を任せてもらえるようになったことを、とても嬉しく感じます。

周囲から認められたからこそ得られた機会 周囲から認められたからこそ得られた機会

チャレンジは、これからも続いていく

工場で求められるのは、安定した製品を高い生産性をもって供給していくことです。そのためには、各工程にたずさわるすべての人が、それぞれの行うべきことを理解し、最善の働きを実現させていく必要があります。この工場には上下関係にこだわらず、効率的な仕事のやり方について考え、教え合える風土があるため、常に進化し続けていけます。また、業務における改善活動も活発で、新たな提案が出されることも多いです。私も今年、先輩と一緒に業務効率化の改善策を実施、その結果を上長の前でプレゼンテーションしました。この施策については今後も検討を重ね、将来的には工場内に導入、活用されるまでに質を高めていきたい。このような個々のチャレンジを、きちんと工場全体での生産性向上につなげていける環境があるのも、やりがいになると思っています。

後輩指導においても、技術やプロとしての心構えを教えるだけには止まりません。ここは「全員の力でお客さまの喜びを作り上げていく場所なのだ」と伝えていくことを重視します。協働を大切にして生み出した成果に、自分の力も確かに加わっていると実感できれば、たとえ新人であっても確かな喜びを感じられるはず。それが仕事への意欲につながり、自らに必要な「次のステップ」を探すという行動へ導くのではないでしょうか。そうやって工場全体に活気を与える一助となる、それが今後、私のやるべきことだと思っています。

ヴラドゥ オアナVrado Oana ヴラドゥ オアナVrado Oana

山口 慶大Yamaguchi Keidai

出張として五島列島を訪れ、「TSUBAKI」ブランドの原料となる椿の実を収穫したことがあります。機械を使わず、手で一つひとつ収穫したのですが、その大変だったこと! けれどふだん、私たちが「原料」として扱っているものがどれだけの苦労を持って育てられ、工場に届けられているのかを知り、感謝の気持ちが生まれました。以来、原料を扱う手つきは自然とていねいになり、たとえ一滴でも無駄にはできないと意識するようになりました。

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