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2020年09月11日

発行元:(株)資生堂

研究・サプライネットワーク

資生堂、ブルーライトが肌に与える影響を確認

バイオフォトン(UPE)測定でブルーライトカット技術の効果を可視化

資生堂は、肌の酸化ストレス※1を高精度に可視化できるバイオフォトン(UPE)※2測定技術と、皮膚中成分の分析により、太陽光強度のブルーライトが肌に悪影響を与えることを確認しました。太陽光中のブルーライトは、室内の照明やパソコンやスマートフォンなどから発せられるブルーライトと比較して、圧倒的に強度が高く、肌に酸化ストレスを与え、皮膚中の肌トラブルの原因となる成分(過酸化脂質)を増加させます。また今回、当社が開発してきたブルーライトをカットする技術の効果を可視化することにも成功しました。今後、得られた知見を活用し、ブルーライトから肌を守り、健やかで美しい肌へ導く製品開発を進めていきます。

※1:紫外線ダメージなどにより酸化ストレスが高まると、肌本来がもつうるおい、透明感、ハリなどを保つ機能が低下します。
※2バイオフォトン(UPE (ultraweak photon emission)): 生体から発する目には見えない極めて微弱な光のこと。酸化ストレスに伴い増加することがわかっています。

図1: 太陽光強度のブルーライトが肌に与える影響(イメージ図)

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研究背景

ブルーライト(青色光)とは、目に見える可視光線の中で、波長が短く、比較的強いエネルギーをもつ光です。昨今、ブルーライトによる身体への影響は指摘されはじめていますが、そのメカニズムなどは詳細に解明されていません。資生堂の調査では、太陽光中に含まれるブルーライトは、室内の照明やパソコンやスマートフォンなどから発せられるブルーライトと比較しておよそ数百倍の強度があることがわかりました。そこで、今回太陽光強度のブルーライトが肌に与える影響について、研究を進めました。

図3: 太陽光中のブルーライトはデジタル機器から発せられるものより圧倒的に強度が高い

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太陽光強度のブルーライトが肌に与える影響の確認

今回、バイオフォトン(UPE)測定と皮膚中成分の分析という2つの方法で影響を確認しました。
バイオフォトン(UPE)は非常に弱い光のため可視化には高い技術が必要ですが、酸化ストレスを確認する非常に有用な方法です。これまでに資生堂では、バイオフォトン(UPE)を検出し、肌の酸化ストレスを高精度に可視化することに成功しています※3。この技術を用いて、太陽光強度のブルーライトが肌に与える影響を評価したところ、ブルーライトを照射した皮膚組織はバイオフォトン(UPE)が増加し、照射していない皮膚組織と比べて有意に酸化ストレスが高まることを確認しました(図4)。
続いて、皮膚中に存在する成分の変化を成分分析で確認したところ、ブルーライトの照射により皮膚中の肌トラブルの原因となる成分(過酸化脂質)が、照射強度に依存的に増加することが明らかになりました(図5)。
これらの結果から、太陽光強度のブルーライトは肌に悪影響を与えることがわかりました。

※3参考資料参照

図4: ブルーライトの照射によりバイオフォトン(UPE)が増加

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図5: ブルーライト照射により皮膚中の肌トラブルとなる成分が増加

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ブルーライトをカットする技術の効果を可視化

バイオフォトン(UPE)測定を活用し、当社が開発してきたブルーライトをカットする技術の効果を検証しました。ブルーライトをカットする技術を搭載した処方を塗布してブルーライトを照射した皮膚組織は、無塗布のものと比較してバイオフォトン(UPE)強度が低下することがわかりました。つまり、ブルーライトをカットすることで、皮膚を酸化ストレスから守ることができると考えられます。

図6: ブルーライトをカットする技術を搭載した処方は酸化ストレスを抑制する

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これまで資生堂は、紫外線が肌にもたらす酸化ストレスは光老化※4の原因の一つであるとし、日頃から肌をケアすることの重要性をお伝えしてきました。今回の研究で、太陽光強度のブルーライトも肌にダメージを与えることを確認し、健やかで美しい肌を保つためには、紫外線だけではなく、ブルーライトからも肌を守ることが重要だとわかりました。今後、これまでに得られた研究成果を活用し、紫外線やブルーライトから肌を守る製品の開発を進めていきます。

※4:太陽光に含まれる紫外線によって生じる「シミ・シワ」などの肌の老化現象のこと。肌老化の主要な原因とされています。

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。